この記事のもくじ
- 1 今、保育園を経営するということ
- 2 「子どもが自然に英語を身につける保育園」を支える働き方改革~ぽっかぽっかナーサリー インターナショナル園
- 3 社労士から見た保育所経営のトレンド~和道経営舎 小林信宏代表インタビュー
- 4 ICT化によって、安心して子どもを任せられ、保育に専念できる保育環境を作る ~株式会社ビズウインド インタビュー
- 5 日本の総菜を世界に発信!~エッサンスキッチン 代表取締役 細野烈氏インタビュー
- 6 風と日光という「自然」を活かした保育園の建築デザイン~建築家・井出敦史氏インタビュー
- 7 海外インターン留学で実践力・指導力のある保育士を育成~Y&K Narita International school 代表 伊藤健太氏インタビュー
- 8 感情労働からの脱却で保育士の働き方を変える~そやま保育経営パートナー 楚山和司氏インタビュー
今、保育園を経営するということ
今、保育園を経営する上での課題は何でしょうか。
保育園は、うまく人を採用して定着させて戦力化し、任せられる人を増やして、経営する人を増やしていけばうまく回っていきます。
僕が施設数を増やしているのは、この地域でポジションを確立し、自分がやりたい世界を作りたいからです。
子どもたちが最高の笑顔になる場所を増やしたい、そういう世界になろうとしているわけです。
そんな中で一番のネックポイントは、離職率と、人材紹介会社への報酬です。
収入は上限が決まっているのに、保育士は取り合いなので、採用コストがどんどん上がっていく。
採用コストにかけるお金を給与や賞与に当てて、保育業務を変えることに使いたいんです。
保育業界で一番伸びているのは本末転倒なことに、人材紹介会社なんです。
だから自社採用の仕組みを作ったり、辞めない組織を作ったりする経営のセンスが求められていると感じています。
保育士が奪い合いになるのは、絶対数が不足しているからでしょうか。
今は保育業界にスポットが当たって目立っているわけですが、どの業界も人手不足なのは同じです。
国は、保育士資格は持っているけど保育士をやっていない「潜在保育士」がいると言っています。
なり手はたくさんいると思います。ただ、嫌な思いして辞めていっているので働きたくないんです。
トラウマになっている。
保育士を辞めた人の3、4割は、「自分の背中を見て仕事をおぼえろ」という保育園で、それに適応できずに辞めてしまった人ではないでしょうか。
だから僕は保育園の側がまず育てる仕組みを持とうと言いたい。
人材不足で困っているのは、僕らのように複数の事業所をもっている新設の保育園と、運営がうまくいっていない保育園です。
ちゃんとしている保育園では人は辞めません。保育士が辞めてしまうようなところは運営が悪いんです。
子ども主体の保育を学校で学んだ学生さんが実習で現場に入って、ギャップがあるからと保育士になりたがらないような保育園は経営のセンスがないわけで、今求められていることをトップがちゃんと勉強していないことが保育士の離職につながっていると思います。
僕のように福祉と無縁だった人が始めるなら、覚悟を決めるべきです。
僕は事業として社会に貢献できて、名を残せるようなものにしたいと覚悟を決めてから、事業所の数が増えて人も辞めなくなりました。
最後に保育士の方へのメッセージをお願いします。
まず、自分が楽しんで仕事をしてほしい、自分が楽しめる保育園を探してほしいと思います。
楽しい仕事でなければいきいきできないし、続きません。
大手の名前ではなく、ちゃんと見聞きして、できれば体験保育に入って就職先を見つけてほしいですね。
元気キッズは、やりたいことがどんどんできる保育園です。
子どもたちの笑顔を増やしていきたいという思いがあれば楽しく働けるし、「保育士の先の仕事」もあります。
社会が求めていることをやる僕らの姿勢に共感してくれたら、新たなサービスを提案してくれてもいい。
そうしたら僕はたぶんそれをやるでしょう。元気キッズはそういう園です。
事業内容 | 保育施設の運営 |
本社所在地 | 〒353-0004 埼玉県志木市本町5-8-5 中村ビル2階 TEL 048-212-2175(代) |
設立 | 2006年7月 |
資本金 | 300万円 |
代表 | 代表取締役 中村 敏也 1977年7月埼玉県生まれ。朝霞三中、川越高校、明治大学経済学部卒業後、大手通販会社へ就職。その後従兄に子どもが産まれ、保育園に入りたくても入れないという待機児童問題に驚き、保育学、児童発達支援を学ぶ。2004年9月、埼玉県志木市にて「保育園元気キッズ 志木園」を開園。以後地域のニーズに対応しながら小規模保育事業、認可保育所、児童発達支援事業、保育所等訪問支援事業所を開設。新座市子ども子育て会議委員。日本教育新聞、埼玉新聞、ココキャリnoteなど多数のメディアで保育士の離職の低さが取り上げられる。教育情報メディアリセマム(Resemom)にコラム「発達障害」全6回を寄稿など、障がいを抱える子ども達の支援にも注力している。 |
<認可保育園> 元気キッズ志木園 元気キッズ第二朝霞岡園 元気キッズ第二朝霞根岸台園 元気キッズ新座池田園 <志木市指定小規模保育> <朝霞市指定小規模保育> <新座市指定小規模保育> <児童発達支援事業所> <児童発達支援事業所・居宅訪問型児童発達支援> <児童発達支援事業所・保育所等訪問支援事業所> |
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従業員数 | 160名(2019年4月現在) |
ホームページ | https://www.genki-kids.net/ |
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