子どもたちの笑顔を増やして、主体性を育みたい ~ 元気キッズ/株式会社SHUHARI 代表 中村敏也氏

子どもたちの笑顔を増やして、主体性を育みたい ~ 元気キッズ/株式会社SHUHARI 代表 中村敏也氏インタビュー

保育士さんたちに伝えたいこと

株式会社SHUHARI 代表 中村敏也氏インタビュー

保育ネクスト

現場の保育士さんたちにはどのように方針を伝えていきますか。

まず説明会では、価値観を共有してもらうために、子どもたちを最高の笑顔にする、豊かな未来にするという価値観、そして僕らが必要としている人物像について、しっかり話します。
そうすると文化も培われ、レベルも高くなり、他の先生たちにも伝えやすくなります。
おかげで、元気キッズではもう8年間も離職率0で、保育士が辞めない保育所になっています。
子どもたちを笑顔にするためには、先生たち全員が同じ方向を向いて同じ価値観のもと保育をすることが必要です。
だから分からないことはどんどん聞いたり自分で調べて探求していってほしい。そんなふうに、つねに切磋琢磨してやっていく環境です。

保育ネクスト

保護者への向き合い方については。

保護者支援ということでいうと、お父さん、お母さんが暗い顔して子どもたちと向き合っていたら、子どもたちも笑顔になれませんから、僕らが保護者に信頼されて、この園なら大丈夫と思って笑顔で預けてもらえれば、笑顔で仕事に行って笑顔で帰ってきてくれる。それが僕らにできることです。
お母さんたち、お父さんたちが抱えている背景を理解しないと子どもの笑顔につながらない、ということは児童発達支援を行う中で学んだことです。
児童発達支援を始めていろいろな家庭があることに気づき、保護者支援をやれば笑顔にできることがわかったんです。
今の家族の形は多様です。
昔は近くにおじいちゃんおばあちゃんや親戚がいて間に合わせていたことが今はできないのだから、こちらがある程度の幅を持たせてやらなければいけないんです。
最近、ようやく保育士さんもこの価値観になじんできました。
保育は8時半~4時半で絶対に時間に迎えに来てくれないとダメ、という考え方から、ワンオペ育児でやっているんだから延長見てもいいよねという価値観になってきました。

保育ネクスト

そういう価値観をもっていないと、余裕をもって保育の仕事ができない。

もうひとつ大事なのは、先生たちが笑顔で仕事をすることです。
主役は先生たちだから、会社は先生たちが働きやすい環境を整えていく。
うちは平均残業が4時間を切るのですが、残業時間の目標を立てたり、有休取得も50%を超えるようにしたりしています。そうすると先生たちに余暇の時間が生まれるんです。
就職説明会では、どの保育園でも残業が少ないと言っていると思いますが、その背景にある僕の考えはちょっと違います。
僕は人として魅力がある先生を評価します。スキルの高さよりも、優しかったり相手を思いやれたりできる人がいい。
そういう人が他の人と違うのは、たぶんその人の生きてきた道筋です。さまざまn経験を積むためにはやはり時間が必要ですから、残業を少なくして、余暇をしっかり持ってほしいんです。
子どもたちは楽しいから保育園に来るわけですから、遊びの中で子どもたちを引き上げていくには、先生たちも遊びの要素を持っていないといけません。
真面目だけだったら子どもたちは近寄ってきません。
だから、先生たちには、余暇の時間を大切にして、いっぱい外に行ったり、自分の趣味に没頭したりしてほしいんです。

保育ネクスト

職員の「4つの約束」を掲げていますね。

はい。元気キッズの先生たちには4つの約束を守ってもらっています。
1番目は「挨拶をしっかりする」。
挨拶は社会のつながりの第一歩ですから、とても気持ちいいし、現場がパッと明るくなるし、子どもたちも挨拶を覚えてくれる。
2番目は「礼節をしっかりする」。
礼節は最強だと思っています。礼節をしっかりして対応できる人がいるだけで悪意は止まり、逆に善意が広がっていきます。優しい、思いやりを持った組織には礼節が必要です。
3番目は「人の話をよく聞く、聞く耳をもつ」、4番目は「自分の意見を相手に伝える勇気をもつこと、わかるように説明すること」。
自分の意見を相手に伝える勇気を持ち、分かるように説明してくださいということです。「大丈夫、聞くから言って」という雰囲気があるので、みんなが言えるようになります。
こういうシンプルな4つのルールを守っていただけるだけで、現場は優しくなり、活力が生まれて生き生きしてきます。

保育ネクスト

提案しやすい現場を意識されていますか。

今よりも少しでも良くなるならすぐやろう、ダメだったら戻せばいいというのが僕の考え方ですから、どんどん提案してもらいます。
必要なかったらまた戻す。そうするとお局さんも生まれません。
こうしたことは、研修と1 on 1ミーティングで伝えています。
社内研修は3ヶ月に1回くらい、定期的にやっていますし、1 on 1ミーティングは施設長との面談、本部の面談を年に2回やっており、現場の悩みも分かるし、先生たちも一人ぼっちになりません。
丁寧にやっていくことで戦力化しやすくなります。
元気キッズの考え方をしっかり理解したうえで、それぞれが自信をもってふるまえるようになります。
そのプロセスがいかに早くするかということを考えています。

 
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