シリーズ 保育園のキャリアップ

主任保育士にチャレンジ!給料や仕事内容は?

主任保育士にチャレンジ!給料や仕事内容は?

多くの保育士にとって、必ず視野に入るキャリアアップのひとつが「主任保育士」です。
主任保育士は現場のリーダーとして保育園の運営に携わりながら、保育士たちをサポートするポジション。
今回は、「ゆくゆくは主任保育士になりたい」と考える保育士向けに、主任保育士の仕事内容や給料、主任保育士になるための方法を解説します。

主任保育士とは?

主任保育士とは、保育園で園長のサポート役として運営に携わったり、現場の保育士をまとめたりするリーダー的存在です。一般企業での「中間管理職」的なポジションであり、知識と経験を積んだ中堅保育士が任されます。

主任保育士になるのは何年目の保育士?

主任保育士を任されることが多いのは、主に40代後半~50代後半の保育士です。
日本保育協会の「主任保育士の実態とあり方に関する調査報告書」によると、主任保育士の年齢層(公立・私立を合わせた全体)で多かったのは、次の通りでした。

  • 45~49歳…18.2%
  • 50~54歳…33.2%
  • 55~59歳…20.1%

主任保育士を任されることが多い年代は50~54歳のようですね。
ちなみに、同調査の「主任保育士になるまでの経験年数」で特に多かった回答は次の通りです。

  • 10~14年…14.3%
  • 20~24年…16.7%
  • 25~29年…18.9%

つまり、「25年以上の保育経験がある50代の保育士」が主任保育士に選ばれやすい傾向があるということになります。
ただし、近年は30代で主任保育士を任されるケースも増えています。ある程度の経験と実力があれば主任保育士になれる可能性は高いと言えるでしょう。

主任保育士は専任加算の対象

主任保育士は専任加算の対象になります。
専任加算とは、クラス担任ではなく「主任」という独立した役職の保育士を配置すると、その保育士を雇用する人件費を運営費に加算できるということです。
主任保育士が保育園の運営や指導計画の立案、子育て支援などに専任できるように、国から追加補助金が支給されることになっています。

主任保育士の給料や手当は?

主任保育士の平均月収や手当て、処遇改善加算について解説します。

主任保育士の平均月給は「39万円」台

内閣府の「幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査集計結果」によると、主任保育士の1人当たりの平均月収は「39万7,212円」でした。一般的な保育士の平均月収は22~23万円なので、かなり給料は上がると考えてもいいでしょう。

主任保育士の月収が高くなるのは、「主任保育士手当」「特殊業務手当」などの手当がつくからです。
1カ月あたりの手当金額は、保育園によって異なりますが、先ほども参照した「主任保育士の実態とあり方に関する調査報告書」によると、1カ月あたりの手当金額は「1万円」「2万円」「5千円」という回答が多く見られます。
一般企業の主任クラスと同じく、主任保育士は責任が増える分、給料も比例して上がっていくとい言えます。

処遇改善加算として4万円が上乗せ

近年の保育士業界の人手不足を解消するために、国は「処遇改善等加算」という取り組みを実施しています。
処遇改善等加算は「処遇改善等加算Ⅰ」「処遇改善等加算Ⅱ」の2種類があります。

処遇改善等加算の種類 目的 支給対象
処遇改善加算Ⅰ

保育士の賃金改善
賃金改善の状況把握
  • 基礎分…平均経験年数に応じて設定(2~12%)
  • 賃金改善要件分…経験年数11年未満一律6%、11年以上一律7%
  • キャリアパス要件分…賃金改善要件分の内数
処遇改善等加算Ⅱ 保育士の賃金改善
保育士のキャリアアップ
  • 副主任保育士
  • 専門リーダー
  • 職務分野別リーダー

上記2つのうち、主任保育士に適用されるのは主に「処遇改善加算Ⅰ」です。

主任保育士の具体的な仕事内容

主任保育士の具体的な仕事内容をまとめてみました。

  • 保育園の運営業務や園長のサポート
  • 勤務シフトの作成
  • 保育士の職員配置
  • フリー保育士として現場をサポート
  • 保育士の相談対応
  • 保護者の相談対応
  • 外部機関とのやりとり

それぞれの仕事内容を把握するとともに、主任保育士に求められるスキルをチェックしていきましょう。

保育園の運営業務や園長のサポート

保育園の運営業務や園長のサポートは、主任保育士の大きな役割の一つです。
基本的に主任保育士はクラスを受け持たない「フリー保育士」なので、その分「裏方」として保育士の運営方針の確認や、運動会や卒園式などのイベントを企画・運営を行います。
また、クラス担任の保育士が作成したカリキュラムや指導計画をチェックしたり、教材や備品の購入を任されたりすることも多いでしょう。
園長が席を外しているときは、代わりに「保育園の責任者」として保護者や外部の機関に対応します。

勤務シフトの作成

保育園にもよりますが、勤務シフト表の作成も主任保育士の仕事に含まれることがあります。
正社員はもちろん、パートやアルバイト、派遣の保育士の出勤可能日や有休、希望休を照らし合わせて勤務シフト表を作成します。
保育士が休みを取る場合は、その分の補填として、ほかのフリー保育士を配置したり、主任保育士自身が現場に入ったりすることもあります。
常に保育現場の全体を把握している主任保育士だからこそ、できる業務です。
基本的に、年末年始を除いて保育園には長期休みはないので、保育士は交代制で休むことになります。
その際も、主任保育士は保育士がまんべんなく休めるように、保育士の希望をヒアリングしながらシフトを調整します。

保育士の職員配置

保育士の職員配置、つまり人事も主任保育士の仕事です。
新年度を迎える際、保育士の退職や入社を踏まえて「どのクラスにどの保育士を配置するか」を決定します。
保育士によって、経験年数やこれまで受け持ってきた子どもの年齢は異なります。
そのため、子どもの年齢や個性に合った保育士を配置することが大切です。
複数担任制の場合は、保育士同士の保育観や相性を考慮して、組み合わせを考えます。
最適な職員配置するためには、保育士一人ひとりの個性や保育のスタイルをしっかりと把握することがポイントです。

フリー保育士として現場をサポート

主任保育士はクラスを受け持たず、保育園の運営や園長のサポートを行いますが、フリー保育士として現場をサポートすることもあります。
人手が足りないときや、ほかの保育士が休みを取っているとき、保育士の手が空いていないときに、現場で子どもを見守ったり、援助したりします。

保育士の相談対応

保育士の相談対応も、主任保育士の仕事の中で特に重要なものです。
保育園の中には、月に数回、主任保育士や園長と面談する機会を設けているところがあります。
そこで、主任保育士は現場で働く保育士たちに「仕事する上での不満点はないか」「人間関係で悩みはないか」「子どもや保護者との関係はどうか」などをヒアリングします。
こうした保育士のメンタルケアは、保育士の離職率の軽減にもつながります。
面談時以外でも「周りの保育士から頼られる存在であること」が、主任保育士に必要なことと言えるでしょう。

保護者の相談対応

主任保育士は保護者の相談やクレームにも対応します。
育児の中での悩みごとや、保育園への不満など、保護者からのさまざまな悩みや要望を受け止め、最適な助言をしたり、対策を施したりします。
子ども同士のトラブル際は、担任保育士のフォローとして、仲介役を担うこともあります。
保護者一人ひとりの話を聞き、真摯に向き合うことで、信頼関係が構築されるのです。

外部機関とのやりとり

児童相談所や発達障害支援センターなどの外部機関とのやりとりも主任保育士の役目です。
外部機関の目的は、主に虐待の疑いがある子どもや、発達障害の可能性がある子どもに対しての支援です。
また、オペレッタやミュージカルの劇団、リトミック講師など、イベントのために外部の団体や個人を呼ぶこともあります。

主任保育士になるためには?

主任保育士になるためには、日本保育協会が主催する「主任保育士研修会」を受講したり、それぞれの保育園で実施される研修を受けたりすることが必要です。
保育園によっては、主任保育士になるための「試験」を実施していることもあります。
ただ、基本的には勤務年数が長く、周りの保育士からも保護者からも信頼されている保育士であれば、自然と主任保育士に選ばれるケースがほとんどです。
「周りから頼られるようなリーダー」になるために日頃から自身の仕事や、周りの保育士のサポートと真摯に向き合いましょう。

主任保育士を募集している求人に応募してみよう!

主任保育士は保育園の運営業務や園長のサポート、現場のサポート、保育士や保護者の相談対応など、さまざまな業務を担っています。
常に保育園全体を見守り、必要な支援を行う「リーダー的存在」です。
主任保育士になる方法は、主任保育士研修会の受講や、各保育園での受験など、さまざまな方法があります。
ただ、ある程度の経験年数があり、フロアリーダーや副主任を任された経験がある場合は、主任保育士を募集している求人に応募するのがおすすめです。
自分に合った職場で、理想のキャリアを築いていきましょう。

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