派遣・アルバイト保育士から正社員保育士になる方法

派遣・アルバイト保育士から正社員保育士になる方法

派遣・アルバイトとして働く保育士には、正社員になるにはどうしたらいいの?と悩んでいる人もいるようです。今回はそんな派遣・アルバイト保育士が正社員になる方法、正社員になるメリット・デメリットについて解説します。経験加算、保育士資格取得支援制度の有無など、注意すべきポイントもまとめているのでぜひチェックしてください。

派遣・アルバイト保育士が正社員になる方法

まず、派遣保育士とアルバイト保育士とでは、正社員になるルートがちょっと違います。
それぞれの違いを踏まえながら、正社員になる方法をチェックしていきましょう。

保育士資格を取得する 派遣保育士・アルバイト保育士共通

派遣・アルバイト保育士が正社員になる方法
まず、保育士資格を持っていない人は、まず保育士資格を取得しましょう。これは派遣保育士でもアルバイト保育士でも同じです。
正社員の保育士を募集している保育園が求めているのは、基本的に保育士資格を持つ保育士です。求人でも応募条件に「保育士資格必須」と書かれているケースがほとんどです。

保育士資格の取得方法は主に2パターンあります。

  • 通信・スクールで勉強して自分で保育士試験を受ける
  • 指定保育士養成施設(保育系の専門・大学・短大)を卒業する

自分で保育士試験を受ける場合は実力次第ということになりますが、指定保育士養成施設は学費がかかるものの、卒業と同時に資格が取得できるというメリットがあります。
それぞれのメリット・デメリットを踏まえたうえで自分に合った方を選びましょう。
また、後で述べるように、保育士資格取得支援制度のある保育園もあります。

正社員雇用がある紹介予定派遣を利用する 派遣の場合

派遣保育士が正社員保育士を目指す場合は、「登録派遣」ではなく、正社員雇用がある「紹介予定派遣」を利用するのがおすすめです。
登録派遣というのは、保育士が派遣会社に登録して、派遣先となる保育園と派遣会社の契約で定められた期間の間、派遣先の保育園で働くというものです。
契約期間が終了すると別の保育園へ派遣されるので、その保育園で正社員として働くことはできません。
これに対して「紹介予定派遣」では、派遣される保育士が、今後その派遣先で正社員になることを前提として働きます。
原則、最長6カ月間の派遣期間が設けられますが、一般的には3カ月程度で正社員として雇用されるケースが多いようです。
「この保育園で正社員として働きたい!」という確固たる意思がある場合や、確実な正社員雇用を目指す場合は、紹介予定派遣を利用しましょう。

一定以上の実務経験を積む アルバイトの場合

アルバイト・パート保育士の場合は、紹介予定派遣がある派遣とは違って、正社員として雇用される道は少し厳しいものになります。
ですから、アルバイト保育士から正社員保育士を目指す人は、一定以上の実務経験を積むことを考えましょう。
たとえば保育士補助として数年働いた実績があれば、保育園側としても安心です。
保育現場で良い働きぶりを見せれば、「ぜひとも正社員になってもらいたい」と保育園側からオファーされることもきっとあります。

派遣・アルバイト保育士が正社員になるメリット

派遣・アルバイト保育士が正社員になるメリット
そもそも派遣・アルバイト保育士が正社員になるメリット何でしょうか。
これは主に3つあります。

  • 給料が増える
  • 福利厚生が充実している
  • キャリアアップが期待できる

それぞれのメリットを詳しく解説しますね。

正社員保育士のメリット①
給料が増える

正社員はフルタイムで働くので、基本的には派遣やアルバイトよりも給料がアップすることいなります。
今までと違って残業もありますが、ブラック保育園でない限り、残業代はしっかり支払われます。
ただし、派遣保育士の場合は、1500~1800円以上といった比較的高い時給の場合もあるので、給料そのものはさほど変わらないかもしれません。「正社員になるよりも派遣の方がお得なのでは?」と考える人もいるでしょう。でも、いくら時給が高くても経験年数によって給料が上がるとは限りません。長い目で見てより多くの給料(手当込み)をもらいたいなら、正社員を目指す方がおすすめです。

正社員保育士のメリット②
福利厚生が充実している

福利厚生が充実していることも正社員のメリットです。

正社員保育士の主な福利厚生には次のようなものがあります。

  • 役職手当
  • 地域手当
  • 住宅手当・借り上げ社宅制度
  • ボーナス(賞与)
  • 宿泊施設・レジャー施設の割引
  • バースデー休暇・リフレッシュ休暇
  • 雇用保険
  • 厚生年金保険

役職手当や地域手当がつくと、当然手取り金額が増えることになります。さらに住宅手当や家賃補助がつけば、生活にかかるコストを大幅に下げることができるでしょう。
そのほか休暇やレジャー施設の割引など、派遣やアルバイトではなかなか取得できない特典がたくさんあります。仕事とプライベートを両立させたい人にはやはりおすすめです。

正社員保育士のメリット③
キャリアアップが期待できる

正社員になれば、その後のキャリアアップについても期待できます。
派遣やアルバイトでは就くことのできない主任や副主任、専門リーダー、園長などの役職に就くことが可能になるのです。
役職に就けば給料も上がりますし、主任やリーダー役職に就ければ、転職の際にその経歴をアピールできます。
また、保育園を運営する企業や福祉法人の本部で働くという選択肢も生まれす。
キャリアプランの選択肢を広げたい人にはぴったりでしょう。

派遣・アルバイト保育士が正社員になるデメリット

派遣・アルバイト保育士が正社員になるデメリット
さて、正社員の保育士良いことづくめのように説明しましたが。実はデメリットもあります。

  • 仕事量が増えて責任も重くなる
  • 休みがとりづらくなる
  • 簡単に辞められない

それぞれ詳しく説明します。

正社員保育士のデメリット①
仕事量が増えて責任も重くなる

正社員になると、やはり派遣やアルバイトのときよりも仕事量が増えます。

  • 保護者対応(送迎の際のコミュニケーション、保護者面談や懇親会など)
  • 日誌や個人票などの書類作成
  • イベントの企画・運営
  • 会議
  • 研修

やりがいを感じることも多いはずですが、担任保育士としてクラスを運営しなければならない責任はやはり大きいものです。

正社員保育士のデメリット➁ 
休みがとりづらくなる

正社員になると担任保育士としての責任があるので、なかなか休みがとれなくなります。
特に職員数の少ない保育園では、保育士1人が抜けると現場がまわらなくなってしまうところが多いです。
そのため転職する場合は、職員数が多い保育園や、有給消化率が高い保育園を選ぶのがおすすめです。

正社員保育士のデメリット③
簡単に辞められない

簡単に辞められないということも、正社員ならではのつらい部分かもしれません。
もっとも、「派遣やアルバイトなら簡単に辞められる」というわけではありません。ただ、正社員の場合はクラスを受け持ってるので、辞めようと思ったら、影響が少なく済む「イベントが少ない時期」「年度末」といった時期を選ぶのが普通です。自分の都合だけでは辞めらることは非常識になってしまいます。

派遣・アルバイト保育士が正社員に転職する際の注意点

派遣・アルバイト保育士が正社員に転職する場合には、次の3つに注意してください。

  • 経験加算について知っておくこと
  • 求人の給料をうのみにしない
  • 保育士資格取得支援制度があるかどうか

それぞれの注意点を説明します。

正社員保育士として転職する際の注意①
経験加算について知っておくこと

経験加算とは、保育士としての実務経験年数に応じて給料を考慮する仕組みです。
この仕組みは、保育士として数十年働いた人と、数年働いた人の給料が同じ給料にならないようにするためにつくられたものです。

経験加算の算出方法は保育園によって異なります。

  • 加算金額×経験年数で算出する方法: 例)3,000円×5(年)=15,000円加算
  • 経験年数を区切って算出する方法: 3年以上は5,000円、5年以上は10,000円が加算

保育園によっては、個別に面談を行って算出することもあります。
不安な方は、面接や見学の際に経験加算について質問してみてください。

正社員保育士として転職する際の注意➁
求人の給料をうのみにしない

「月収○○万円以上!」という文言につられて、「派遣(アルバイト)より給料がいい!」と飛びついて応募してしまうのはちょっと危険です。
時給で給料が支払われる派遣やアルバイトとは異なり、正社員の場合にはさまざまな手当がつくのが普通です。
「何の手当てがついているのか」「求人のモデル給料にみなし残業代は含まれているのか」といったことをきちんと確認してください。

正社員保育士として転職する際の注意③
保育士資格取得支援制度があるかどうか

保育士資格取得支援制度とは、無資格の保育士を保育園側が保育士資格を取得できるように支援する制度です。
この制度を利用すれば、保育補助として働きながら資格取得の勉強をして、資格を取得した後に正社員として働くことができるようになります。
保育士向けの求人を探す際は、保育士資格取得支援制度の有無をチェックするのがおすすめです。

派遣・アルバイト保育士から、夢の正社員保育士へ!

出勤日数を自由に選べる派遣・アルバイト保育士は、自分のペースで働きたい人には適していますが、長い目で見て安定した収入がほしいと思ったり、今後のキャリアの選択肢を広げていきたいなら、正社員保育士として働くことを考えてみましょう。
転職サイトで探せば、無資格でも保育士としてスタートできる求人も見つけられるはずです。経験加算や、保育士資格取得支援制度があるかどうかをチェックして、慎重に求人に応募しましょう。

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