【現役保育士が教える】お受験に有利なこども園選び

【現役保育士が教える】お受験に有利なこども園選び

こども園は保育だけでなく教育も実践する保育施設なので、「小学校受験に有利」と言われることもあります。そのウワサは本当でしょうか? 今回は現役保育士の目線から、こども園が小学校受験に有利というウワサの真相、小学校受験に向けたこども園選びについて解説します。

こども園が小学校受験に有利って本当?

認定こども園(通称:こども園)は、保育園と幼稚園の要素をあわせ持つ、新たな保育施設です。
こども園の特徴は、0~5歳の幅広い年齢の子どもが入園できること、そして「3~5歳の保護者であれば保就労の有無にかかわらず施設を利用できる」といったことです。このため、入園を希望する人が最近増えています。
以下、こども園が小学校受験に有利と言われる理由と、本当に受験に有利なのかということを掘り下げていきます。

こども園が小学校受験に有利と言われる理由

こども園では、子どもの身の回りの世話をする「保育」だけでなく、就学へ向けた「教育」を実践しています。
たとえば、簡単な算数のワークや、ひらがな・数字の読み書き、視覚教材を使った遊びなど、幼稚園のように小学校へのスムーズな移行を目的とした教育プログラムを行います。
そのため、幼稚園と同じように「こども園は小学校受験に有利」とウワサされるようになっています。

教育に力を入れているこども園なら有利

結論を言いますと、教育に力を入れているこども園なら、小学校受験に有利と言えるでしょう。
ただし、どのこども園でも同じように有利かというと、施設それぞれの教育に対する力の入れ具合によって異なります。
つまり教育に力を入れている施設なら、保育園・幼稚園・こども園であっても、さほど差はないでしょう。

【保育園・幼稚園との違い】
「こども園」がおすすめの理由

小学校受験に有利なのはあくまで「教育に力を入れているかどうか」で、実際には施設の形態で大きな差はないと書きましたが、こども園には保育園・幼稚園にはない魅力があります。ですから、「受験を見据えた預け先」としても「毎日の預け先」としてもおすすめです。
その理由を2つ解説します。

教育に力を入れている施設が見つけやすいから

こども園は、保育園より教育に力を入れている施設を見つけやすいでしょう。
もちろん保育園の中にも、教育プログラムが充実している施設はあります。
しかし、多くの保育園では「子どもの身のまわりのお世話」「発達を促す“遊び”」などが主旨となっており、教育に力を入れている保育園を保護者が見つけることは難しいでしょう。

子どもを預かる時間が長いから

こども園は幼稚園のように「教育」の要素を合わせ持っていますが、幼稚園より子どもを預かる時間が長く、保護者の就労に問わず通えるというメリットがあります(3~5歳の保護者対象)。

幼稚園も就学に向けた教育を行っているので、受験を見すえた預け先としては申し分ありませんが、こどもを預かる時間が短く、保護者が早い時間にお迎えに行かなければならないということがあります。
なおかつ対象年齢が3~5歳なので、0~2歳のうちから預けることはできません。
そのため、受験目的としては申し分なくても、「毎日の預け先」とするには、各家庭のライフスタイルや就労状況を幼稚園の時間に合わせる必要があります。

つまり、こども園は、教育に力を入れている施設を見つけやすく、子どもを預かる時間が比較的長いので、「受験のための預け先」「毎日の預け先」としておすすめできるのです。

小学校受験に向けたこども園選びのポイント

小学校受験を見すえてこども園を選ぶなら、子どもと園との相性も大切ですが、ほかにも確認すべきポイントがあります。

  • 受験したい小学校と教育方針がマッチしているか
  • カリキュラムが充実しているか
  • 受験生がよく通っているか

それぞれのポイントをチェックしていきましょう。

受験したい小学校と教育方針が似ているか

こども園を選ぶ際には、受験したい小学校とこども園の教育方針がマッチしているかどうかをチェックしましょう。
たとえば「子どもの主体性を尊重する」という方針の小学校を目指すなら、子どもの個性や意見を尊重し、のびのびと育つような教育を実践するこども園を選びましょう。
教育方針が同じようなものなら、小学校に入学したときに子どもがギャップを感じずに、スムーズに校風になじむことができます。
また、同じような教育方針のこども園で育っているということを受験先の小学校にアピールすれば、「自校との相性がいい」と好感を持ってもらえることもあるかもしれません。

カリキュラムが充実しているか

受験を見すえたこども園を選ぶなら、カリキュラムの充実度もポイントのひとつになります。
就学に向けた簡単な算数、文字の読み書きはもちろん、音楽や美術、英語、身体運動などの幅広いプログラムを実践しているこども園がおすすめです。

子どもはさまざまな遊びや学びの中で成長し、豊かな心を育んでいきます。
プログラムが多ければ、興味のあること・好きなことと出会えるチャンスがその分だけ増え、その子の「得意なこと」を伸ばすことにつながります。
また、受験の際にも、「こども園では○○に取り組んでいた」「○○が得意」というように子どもの個性や特技を伝えやすくなるでしょう。

受験生がよく通っているか

小学校受験を控えている子どもが多いこども園なら、周りの保護者と受験に関する情報を交換できます。
受験の準備や家庭での教育、幼児教室やスクールなど、さまざま情報を共有できるので、心強いでしょう。

【入園するならココ!】
小学校受験におすすめのこども園の特徴

教育方針や、それに基づいて実践している教育内容はこども園によって様々です。
どのこども園を選ぶべきか悩む保護者もいるでしょう。
以下に、保育のプロとして、小学校受験におすすめのこども園の特徴を紹介します。
受験でアピールできるこども園をピックアップしたので、ぜひ参考にしてみてください。

教育事業が運営しているこども園

教材の提供や学習塾などの運営のような「教育事業」を運営している保育園です。
「教育のプロ」が運営していることから、手厚い就学サポートを受けられる可能性が高いでしょう。
オリジナルの教育コンテンツを使った遊びや学びも提供していることがあり、ほかのこども園とは違った教育を受けられます。
教育事業を運営しているこども園の中には、市販していない教材や絵本を家庭に配布する施設もあります。
家庭教育に力を入れたい保護者の心強い味方となってくれるでしょう。

インターナショナル系のこども園

小学校での「英語」が2021年に正式科目になり、今後ますます英語教育に注目が集まるでしょう。
インターナショナル系のこども園なら、子どもの将来の選択肢が広がるだけでなく、受験の際に大きな強みとなります。
通常のこども園では、英語を使ったプログラムが週に数回行われるだけですが、インターナショナル系のこども園では、毎日英語に触れることができます。
年齢が低いうちから英語に親しむことで、「英語力」がぐんと育ち、就学後も小学校の授業内容をスムーズに理解できるでしょう。

ミッション系のこども園

受験を考えている小学校がキリスト教・仏教などのミッション系の場合は、こども園もミッション系の園を選ぶのがいいかもしれません。
「受験する小学校の宗教(宗派)」と「こども園の宗教(宗派)」が同じなら、就学した際に学校の雰囲気にギャップを感じることなく、溶け込めるでしょう。
受験の際にも、同じ宗教(宗派)のこども園出身ということで「学校の教育理念・教育方針にマッチしやすい」と学校側に好感を持ってもらえるかもしれません。
ミッション系のこども園は礼儀やマナー、感謝の気持ちなどを重んじる特徴があるので、受験先がミッション系の小学校でなくても有利に働く可能性がありますよ。

幼児教室に通うのもおすすめ

上記に、受験を見すえて選ぶべきこども園を紹介しましたが、子どもがそれらと相性が合うとは限りません。家からの距離や様々な条件に合わないこともあるでしょう。
そんなときは、近場で条件にマッチするこども園に通いながら、受験対策として幼児教室やスクールに通うのがおすすめです。
国立・私立小学校の合格者を輩出している実績のある幼児教室や、有名な講師陣が在籍しているスクールなど、希望に合ったところを探してみましょう。

教育方針をチェックして
小学校受験を見すえたこども園選びを

保育園・幼稚園・こども園などの施設形態によって、「小学校受験が有利・不利になる」ことはありません。
ただし、こども園はほかの施設と比べて教育に力を入れている施設が多く、さらに子どもを預かる時間が比較的に長いということが魅力になります。
そう考えると、子ども園は「受験のための預け先」「毎日の預け先」としてぴったりです。
教育に力を入れているこども園や、受験先と教育方針が似ているこども園を選び、早い段階から小学校受験に備えましょう。

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