現役保育士から受ける相談の中で、とくに多いのが「人間関係」に関する悩みです。
新人保育士や若手保育士は、先輩保育士とどのように付き合えばいいのか戸惑い、大きなストレスを抱えてしまうこともあるようです。
今回は、そんな新人・若手保育士さんが先輩保育士とうまく付き合うためのポイントを紹介していきます。
先輩保育士さんも、新人・若手保育士さんがどんなふうに感じているかを知るために読んでみてくださいね。
この記事のもくじ
人間関係の悩みの種!苦手な先輩保育士の特徴
先輩保育士とうまく連携して動くことは、スムーズに保育を進める上でとても重要です。
でも、「連携したいけど、先輩が苦手…」と悩んでいる保育士もいるようです。
どんな先輩が「苦手」と感じられてしまうのか、特徴をあげていきますので、職場に後輩保育士がいる方は、ちょっとだけ自分のことを振り返ってみてくださいね。
パターン① 表情や口調が怖い先輩保育士が苦手!
いつも見られている気がするし、ちょっとミスをすると、
「なんでこんな簡単なこともできないの?」
と強い口調で言われます。
表情や口調が怖いと、なんだか一緒にいるだけでも萎縮してしまいますよね。
でも決して悪気はなくて、もしかするともともと表情が乏しい人なのかもしれませんし、あなたを教育するために熱がこもりすぎてしまっている可能性もあります。
とはいえ、言動に「愛」や「思いやり」が感じられないと、一緒にいるのが苦痛になってしまうので、先輩保育士さんは注意しましょう。
パターン② 自分と保育観が合わない先輩保育士が苦手!
親切で保育熱心な人ですが、子どもに対して「なんでもやってあげちゃう人」で……。
私は子どもの主体性を大事にしたいんです。
たとえ人間的には良い先輩保育士でも、保育観が合わないとストレスの原因になりかねません。
ある程度経験を積めば、話し合うことで互いの保育観をすり合わせることもできますが、新人のうちは、先輩に意見を言うなんて怖くてなかなかできませんよね。
パターン③ 嫌味や陰口を言う先輩保育士が苦手!
新卒保育士へのいびりや悪口、保護者の夫婦仲のウワサ話まで、同じ空間にいるのがつらかったです。
今は転職して悪口もない平穏な職場で仕事をしていますが、当時のことを思い出すだけでも心が苦しいです。
ストレス発散のために嫌味や陰口を言ってしまう保育士は珍しくありませんし、人間ですから仕方ない面もあります。
ただ、度を過ぎた悪口は、言われる側だけでなく聞いている側も不快な気持ちにさせてしまいます。
悪口があまりもひどい場合は、転職を視野に入れてみたほうがいいかもしれません。
これで好かれる後輩に!先輩保育士との付き合い方
それでは、次に、先輩保育士と良好な人間関係を築くコツを5つご紹介します。
先輩保育士から好かれる後輩になって、信頼関係を作っていきましょう。
報連相をきちんと心がける
先輩保育士と連携を図る上で「報告・連絡・相談」は大切です。
- 報告…任された仕事の進歩状況、今後の見通しを報告
- 連絡…事務報告や子どもや保護者に関する情報を共有する
- 相談…自己判断が難しいとき、迷ったときに相談する
報連相ができていない新人は、先輩保育士に限らず、「非常識な人」と思われてしまう可能性があります。必要な情報が共有されないと、保育がスムーズに進まない場合もありますよね。
また、先輩保育士に何も相談せずにいることで、先輩保育士が「自分は先輩として信頼されていないのでは?」と疎外感を感じてしまうかもしれません。
報連相は、先輩保育士との大切な「コミュニケーションのきっかけ」です。
積極的に報連相を行い、その中で信頼関係を築いていきましょう。
分からないことを何でも聞くのはNG
報連相の中でもとくに大切なのは「相談」です。
でも、だからといって「分からないことを何でも聞く」というのは、どうでしょうか。
たとえば「○○の場所が分からない」という場合などは、一度自分で探してみて、どうしても見つからなかったときに聞くのが、人としてのマナーですよね。
保育でも同じことが言えます。
分からないことがあったら、まずは自分で考えて実践してみてから、先輩保育士に相談しましょう。
相談する際は、ただ「○○が分からなくて…」と聞くのではなく、
「○○をやってみたのですが、うまくいかなくて……。○○した方がよろしいのでしょうか?」
というように、「実践した結果」や「自分なりの解決策」を提案した方が良い印象を与えることになります。
「○○と××、どちらがよいでしょうか?」
というように2つの案を提案して選んでもらうのもいいでしょう。
個人的な話は控えめに
職場の人間関係にもよりますが、趣味や休日の過ごし方といった個人的な話は、一般的には避けた方がいいでしょう。
そんなお堅い職場はイヤだと思いますか?
もちろん、早く打ち解けようとするために、ある程度積極的に話すことはOKです。
ただ、中には噂好きな先輩保育士もいます。
「恋人がいる、いない」「家族関係」などを正直に話してしまったがために、陰で大勢の保育士に言いふらされたり、あらぬ噂を立てれてしまうことがあるかもしれません。
個人的な話は、本当に信頼できる相手にだけ、もしくは当たりさわりのない部分だけを話すのがおすすめです。
もちろん、陰口や悪口を言うのも避けましょう。
これは、言うまでもなく、後で「○○さんがこんなこと言っていたよ」と告げ口されてしまう可能性があるからです。
そう考えると、個人的な話や私情はあまり職場に持ち込まないほうが、人間関係のトラブルを回避する鉄則であることがおわかりいただけると思います。
苦手な先輩保育士は心の中で一線を引く
きちんと報連相やマナーを守っているのに嫌味や悪口を言うような先輩保育士とは、無理して仲よくなる必要はありません。
心の中で「仕事上だけの付き合い」と一線を引きましょう。
とはいえ、先輩保育士が苦手だからと言って、無視したり、マナーを怠ったりするのは社会人として正しい行動とは言えません。
心の中で一線を引きながらも、表面上は穏やかに、そして誠実に接しましょう。
ただ、先輩保育士からパワハラをされている、もしくは嫌がらせを受けている場合は、すぐに主任やマネージャー、相談窓口に相談してください。
相手の気持ちを考える!でも被害妄想はしない
「原因は分からないけれど先輩保育士とギクシャクしている」
「先輩保育士から嫌われている気がする」
そんな場合は、まず相手の気持ちを考えるところから始めてみましょう。
- 自分の言動を振り返って、失礼なことをしていなかったか
- 同じミスを繰り返していないか
- 「自分のことだけをすればいい」と視野が狭くなっていないか
「自分がこうしたら、相手はどう思うか」
それを想像することで、今後起こりうる誤解や人間関係の悪化を防げます。
つねに相手の視点に立つことで、「今何をすればよいか」「相手が喜ぶこと」が自然に見えてくるでしょう。
その結果、先輩保育士からも「気が利く人」「優しい人」という良い印象を持ってもらえますよ。
先輩保育士にしてはいけないNG行動3選
「先輩保育士が怖い、苦手……」と感じてしまうのは、あなたの側の言動が原因になっているかもしれません。
多くの先輩保育士が「これはちょっと…」と感じる、後輩保育士のNGな行動・言動を3つご紹介します。
自分が無意識にやってしまっていないかをチェックして、今後は気をつけていきましょう。
NG行動① あいさつやお礼を言わない
あいさつやお礼は、社会人だけでなく「人として」身に付けるべき基本的なマナーです。
- おはようございます
- 休憩いただきます
- お疲れ様です
- お先に失礼します
- ありがとうございます
このようなあいさつやお礼は、社会人になりたての頃はしっかり心がけていたものの、慣れてくると、ついつい忘れてしまうこともあるでしょう。
先輩保育士は、こうした部分も案外しっかり見ています。
もう一度気持ちを引き締めて、忘れずにあいさつとお礼を心がけましょう。
また、有給を取ったら「お休みいただきありがとうございました」、シフトを代わってもらったら「昨日はシフト代わっていただいて、すみません。ありがとうございました」などと感謝の言葉を伝えるのも忘れずに。
NG行動② つねに受け身
つねに誰かの指示を待っているようなスタイルは、先輩保育士から嫌われがちです。
自分の意思や意欲を持っていないように見えてしまいますし、先輩保育士からすると、わざわざ「指示する」というひと手間をかけさせられることになります。
いちいち言うより自分がやったほうが早い!と手が出てしまう人もいるでしょうね。
指示待ちにならず、自分から積極的に動いたり、手が空いたら先輩保育士の仕事を手伝ったりして、熱意を見せていきましょう。
NG行動③ 人によって態度を変える
「特定の保育士には明るく話しかけるのに、ほかの人には不愛想」
「主任や園長の前だけ愛想をふりまく」
そんな保育士は、周囲からマイナスな印象を持たれてしまいます。
「○○先生には明るく話すのに、私の前ではそっけない…。もしかして嫌われているのかも?」
と先輩保育士を不安にさせてしまうかもしれません。
たしかに、人見知りが激しく、特定の相手にしか心が開けない人もいますが、周囲に誤解を与えないように、誰に対しても平等な態度で接しましょう。
できることから始めれば、きっと乗り越えられる
保育士として働きつづける中で、なぜか苦手に感じる先輩保育士と出会うこともきっとあると思います。
そんな場合でも、報連相やあいさつをしっかり心がけ、積極的に動くように気をつければ、円滑な人間関係は築くことができます。
どうしても苦手な先輩保育士がいる場合は、心の中で一線を引きましょう。
どうしても解決できない場合は、悩みつづけるのはやめ、転職して新しい環境で再スタートを迎えることだってできます。
あなたができることから始めてみましょうね。
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