「こんなとき」のコツ

盛り上がる!絵本や紙芝居の読み聞かせのコツ

盛り上がる!絵本や紙芝居の読み聞かせのコツ

保育園では朝の回や給食の前後、お昼寝の前など、活動の節目に「読み聞かせ」の時間がありますが、中には「読み聞かせが苦手」「いまいち盛り上がらない」と悩んでいる新人保育士さんもいるのではないでしょうか?
今回は子どもたちが夢中になってくれるような読み聞かせのコツをご紹介します!

読み聞かせは多くの学びをもたらしてくれる

絵本や紙芝居の読み聞かせには、たくさんの「ねらい」があります。

  • 言葉の発達を促す
  • 保育士との絆を深める
  • 想像力や感受性を育む
  • 倫理観や社会的ルールを身に付ける

0~2歳にとっての読み聞かせは、知らない言葉を覚えたり、言葉への親しみを持ったりする大切な機会です。3~5歳児になると、絵本の主人公に感情移入したり、絵本の内容を通じて「していいこと・悪いこと」の判断ができるようになったりします。

つまり、絵本は子どもにとって多くの学びをもたらす重要なアイテムなのです。
上記の「ねらい」を達成し、子どもの健やかな成長を促すためにも「いかに子どもを絵本や紙芝居の世界に引き込むか」がカギになってくるでしょう。

絵本と紙芝居の違いとは?

保育園によっては、絵本と紙芝居とで大きな区別をつけずに使うこともありますから、一概には言えませんが、このふたつは異なる特徴を持っています。

絵本  少人数用。活動の合間に読むことが多い。手軽に読める。
紙芝居 大人数用。イベントのときに読むことが多い。ある程度の準備が必要。

絵本は紙芝居よりもコンパクトでページもめくりやすいため、活動の合間や時間が余ったときにパッと読めるというメリットがあります。
一方、紙芝居はサイズが大きいため、季節のイベントを始めとする大人数での活動の際に読まれる傾向があります。
文字と絵が同じページに書かれている絵本とは違い、紙芝居は文字が裏面に書かれていることで、より子どもの注目を集めやすいですよね。
ただし、その分、下準備なども必要になります。

「今日はゆっくり読む時間がないな」というときは紙芝居、「今日はちょっと気合を入れたい!」というときは紙芝居など、その時々に合った方を選びましょう。

ますます楽しくなる!絵本の読み聞かせのコツ

「先輩保育士の読み聞かせのときは大盛り上がりなのに、私のときだけ子どもの反応が薄い…」
保育士になりたての頃は、そんなことで悩むときもあるでしょう。
もちろん、それは、あなたが下手なわけではなく、経験値に差が大きな要因でしょう。
しかし、そこであきらめてはもったいない!
ちょっとコツをつかむだけで、子どもが夢中になってくれますよ。

絵本と関連する手遊びでツカミはOK!

絵本を読む前の手遊びは、絵本の内容と合ったものを選びましょう。
仕事が忙しいと、「新しい手遊びを覚えるが面倒」「いつもの手遊びでいいか」と思ってしまいがち。
しかし、手遊びは、絵本の盛り上がりを左右する重要な役目を持っています。

たとえば、「むっくりクマさん」「大きなクマのいえ」などの手遊びをした後に、
「みんなでクマさんのまねっこしてたら、クマさんが来てくれたよ!」
と、クマが主人公の絵本を取り出せば、子どもたちは手遊びと絵本のつながりを察知して、「おもしろい!」「どんなクマさんが出てくるんだろう?」とワクワクしてくれます。

手遊びを賢くチョイスして、子どもたちの期待感を高めていきましょう。

声は大きく!適度に抑揚をつける

読み聞かせの際は、奥に座っている子どもにも聞こえるように大きな声で読みましょう。
声が小さいと、子どもたちの集中力が切れてしまいます。
盛り上がらずに終わってしまう大きな原因になりますので、注意してくださいね。

また、絵本はイラストページに文章が書かれているため、読む人の顔が絵本の方へ向いてしまうために、声がなかなか通らないこともあります。
声を出すときは、なるべく顔を子どもたちの方に向けましょう。

説明文は淡々と、驚くシーンや明るいシーンでは声を高くするなど、適度な抑揚をつけることも大切です。
とはいえ、あまり大げさに抑揚をつけてしまうと、内容が伝わりにくかったり、絵本の世界観が崩れてしまったりするので、バランスをしっかり守りましょう。

絵本はなるべく動かずに!

読み聞かせの際は、なるべく絵本を動かさないようにしましょう。
絵本の見せどころや印象的なシーンでは、絵本をゆすったり、子どもの顔の近くへ持って行ったりするなど、絵本を動かしてダイナミックな演出をしたくなるかもしれません。
でも、あまり動かしすぎると、肝心の絵が見えづらくなってしまいます。
絵本の読み聞かせのポイントは「静止画でどれだけ子どもたちに楽しんでもらえるか」です。
声の抑揚や間の取り方など、動き以外で盛り上げる方法を探っていきましょう。

ページをめくるときの手の位置に注意

絵本のページをめくるときは、絵本が手で隠れないようにしましょう。
せっかく子どもたちが絵本の世界に入り込んでいても、めくったときに現実に引き戻されてしまうからです。
絵本の下の部分を支えるほうの手でページをめくるか、ページ下部の端をつかんでめくれば、絵本が手で隠れることはありません。
はじめは慣れずにうまくできないかもしれませんが、回数を重ねていくうちに上達していきますよ!

問いかけやコミュニケーションも入れてみよう

絵本を読んでいると、「あ!○○だ!」「あそこに○○がある!」と子どもが反応してくれることもあるでしょう。
その際は、「本当だ、○○だね」「次は何が出てくるかな?」と子どもの言葉に答えたり、問いかけたりするのもOKです。
保育士とのコミュニケーションを通して、子どもが安心感を抱き、保育士と絵本の面白さを共有した実感をもってくれます。
つまり、保育士と子どもの絆を深められるという大事なコミュニケーションなのです。
ただ、子ども全員の言葉を拾ってしまうと、絵本の流れが悪くなってしまうこともありますので、適度に拾って読み進めるのがいいでしょう。

子どもが惹き込まれる!紙芝居の読み聞かせのコツ

続いて、紙芝居の読み聞かせのコツを紹介します。
紙芝居の世界観を表現しつつ、スムーズに読むためには、どんなことが大切なのでしょうか?
下準備から立ち位置まで、見逃しがちな点もピックアップしてみました。

絵本よりも難易度高め?一度下読みしておくと安心

紙芝居を子どもに読み聞かせる前に、まずは一度下読みしておきましょう。
紙芝居は、絵本のように全部のページの一部がつながっているわけではありません。
何枚もの絵が重ねっているだけですし、絵本よりサイズが大きいので、安定して持ちにくいという難点もあります。
本番に失敗することがないように、安定する持ち方やページの抜き差しの仕方などを把握しておきましょう。

紙芝居専用舞台を用意して特別感を出して

イベントのときや特別感を出したいときは、紙芝居専用舞台や机を使うのがおすすめです。
紙芝居専用舞台には枠が付いているため、紙芝居のイラストがはっきりと見えやすくなります。子どもたちも集中しやすくなるでしょう。
紙芝居本体もしっかり固定されるため、ぐらついたり落ちたりする心配もありません。
紙芝居専用舞台がない場合は、机を使ったり、手作りの舞台を作ったりするのもいいでしょう。

立つ位置は横!

人によって異なりますが、紙芝居の立ち位置は紙芝居の「横」がいいでしょう。
絵本や紙芝居の読み聞かせは、子どものリアクションに合わせて、読むスピードを変えたり間を置いたりするものです。
紙芝居の真後ろに立ってしまうと、子どもの様子が見えなくなってしまうので、子どもと読み手側の間に距離が生まれてしまいます。
読み聞かせをするときは、紙芝居の横か、もしくは斜め後ろに立ちましょう。

キャラクターによって声音を変える

紙芝居の読み聞かせには、その名の通り「芝居(演技)」が必要です。
少人数に読む絵本とは違って大人数向けに作られているため、よりメリハリのある演技が求められます。
たとえば複数のキャラクターが登場するストーリーなら、キャラクターごとに声音を変えるのもいいでしょう。
男性の声は低く、女性の声は高く、子どもの声はより幼く、というように、子どもが声を聞いただけで「今は○○(キャラクター)がしゃべっている」ということが分かるような演技ができたらベストですね!

場面に合わせた抜き方を実践する

紙芝居の醍醐味は、読み終わったページを「抜く」瞬間にあります。
紙芝居の裏面には、説明文やセリフだけでなく、ページを抜くときのスピードや雰囲気なども記載されています。

「ゆっくり抜く」
「すばやく抜く」
「3段階に渡って、徐々に抜いていく」

このように抜き方にバリエーションをつけるだけで、子どもたちはハッと息をのんだり、「この後どうなるんだろう?」とワクワクしてくれたりするはずです。
裏面に抜き方についての指示が書いていない場合は、
「急展開のときは、サッと抜く」
「物語の犯人や、気になるキャラクターが出てくるときは、ゆっくり抜く」
というように、シーンに合った抜き方を考えて実践しましょう。

盛り上がる!絵本や紙芝居の読み聞かせのコツ まとめ

子どもは、絵本や紙芝居を通して言葉の面白さや共感性をはじめ、多くのことを学びます。
そのため、保育士にとって読み聞かせのスキルは必要不可欠です。
今回紹介したコツを押さえつつ、練習や経験を積み重ねれば、子どもたちを惹き付けられますよ!
ぜひ、毎日の保育で実践していってくださいね。

参考文献
紙芝居講習会のご案内(童心社)
読み聞かせの実態と 言葉の発達(ベネッセ教育総合研究所)

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