使える例文つき!「伝わりやすい」連絡帳の書き方のコツ

使える例文つき!「伝わりやすい」連絡帳の書き方のコツ

「連絡帳を書くのが苦手…」という保育士さんはいませんか。
なりたての保育士さんは、連絡帳でどんな文章を書けばいいのか悩んだり、保護者との距離感もつかみにくいかもしれません。
保育園の連絡帳は、子どもの成長や1日の様子を記すためだけでなく、保育士と保護者のコミュニケーションツールでもあります。
そこで今回は、保護者に「伝わりやすい」連絡帳の書き方や、新年度の初日やトラブルがあった場合など、シチュエーション別の例文をご紹介します。

そもそも保育園の連絡帳の役割とは?

連絡帳の書き方を知る前に、まずは連絡帳の役割を押さえておく必要があります。
以下の3つのポイントを押さえておけば、連絡帳を書くときに「何をメインに書くべきか」がしっかり見えてきますよ。

連絡帳のポイント① 食事・睡眠・排泄など子どもの健康面を保護者に知らせる

連絡帳は、次のような子どもの健康に関する記録を残す欄があります。

  • 食事(どれぐらい食べたかor残したか)
  • 睡眠(睡眠時間、午睡時間)
  • 排泄(便の状態や回数)
  • 体温(朝・午睡後の検温)

上記に関する記録を残せば、保育士も保護者も子どもの健康状態をしっかりと把握できます。
たとえば、食事量が少なく、水っぽい便が何度も出るなら、風邪や感染症の可能性が高いかもしれません。
その場合、連絡帳や口頭での話し合いを通じて、保護者に子どもを病院での診察を促したり、自宅で休ませたりするといった適切な対処をすることができるようになります。
つまり、子どもの体調管理を徹底することで、子どもの安全と健康を守れるのです。

連絡帳のポイント② 保護者と意思疎通を図る

連絡帳には食事・睡眠・排泄などの健康面を記入する欄のほかに、自由欄があります。
ここでは「今日、○○ちゃんはお友だちと鬼ごっこをして遊んでいました!」といった日中の子どもの様子や、印象に残ったエピソードなどを書き込みます。
また、前日に保護者が記入したメッセージ欄への回答を書くのもOKです。
たとえば、「最近、家で注意しても全然聞いてくれなくて…」といった保護者からの相談にアドバイスしたり、文面上での対話を通して保護者との「信頼感」を育むことができます。

連絡帳のポイント③ 子どもの成長を記録に残す

「○○ちゃん、ついにつかまり立ちができるようになりました!」
「嫌いなニンジンも頑張って食べていましたよ」
こういった子どもの成長を記録に残すことも、連絡帳の大きな役割です。
保護者は日中に子どもの側にいられない分、連絡帳を通して保育園での様子や成長を実感できます。
また、連絡帳は数年後に保護者が見返したときも「思い出」として手元に残るものとなります。
貴重な「成長日記」として、真心を込めて書くことが、保育士として心がけるべきポイントと言えるでしょう。

文章が苦手な保育士でも大丈夫!「伝わりやすい」連絡帳を書くコツ

保育士の中には「文章を考えるのが苦手」という人もいるでしょう。
文章が苦手な人でも保護者に「伝わりやすい」連絡帳を書くコツを5つ解説します!

連絡帳のコツ① 「誰が」「どこで」「何を」「どんな表情で」を詳しく書く

連絡帳は、日中子どもと過ごせない保護者でも、子どもの様子を思い浮かべられるような内容を書くことがベストです。
そのため、子どもの様子を連想しやすいように、「誰が」「どこで」「何を」「どんな表情で」という部分を詳しく書きましょう。

(例)1歳児のAちゃんが水遊びをした
記入例
今日、Aちゃんはクラスのお友だちと一緒に水遊びをしました!おもちゃのジョウロから水がチョロチョロ流れるとうれしそうにニコニコ♪何度も水を入れて流していましたよ。

上記の文章のように、表情や行動に加えて、「チョロチョロ」「ニコニコ」などの擬音語を使うと、さらに情景が思い浮かべやすくなるのでおすすめです。

連絡帳のコツ② 「○○ができた」などの子どもの成長を書く

子どもは毎日少しずつ成長していきます。
どんなに小さな成長も見逃さず、しっかり記録していくのも大切なポイントです。

0~1歳児の場合

  • 初めて1人で立った
  • 離乳食を残さず食べた
  • 身振り手振りで「ちょうだい」や「ありがとう」ができた
  • 「ワンワン」「ニャンニャン」などの言葉を話した

2歳児の場合

  • イヤイヤ期で不機嫌になったけれど、遊んでいるうちに気持ちが切り替えられた
  • 1人で排泄ができた

3~5歳児

  • 自分から友だちに「遊ぼう」と誘えた
  • 自分のおもちゃを友だちに譲ってあげた
  • 年下のクラスの子をあやしてあげた
  • けんかしたときも自分から謝れた

ただ、子どもの年齢によって、心と体の成長度合いは異なりますし、成長のスピードも個人差があります。
大切なのは、「その子自身の成長」をしっかり書くことです。
たとえば、今まで給食で好き嫌いをしていた子どもが残さず全部食べられたら、そのことを掘り下げて連絡帳に書いてみましょう。
ほかの子どもにとっては普通のことでも、その子どもにとっては重要な成長過程です。
決して見逃さず保護者に共有しましょう。

連絡帳のコツ③ マイナスなことは書かない!ポジティブな内容と明るい文体を心がける

基本的に、連絡帳は子どもの成長や日々の様子を保護者と楽しく共有するツールです。
そのため、「今日は〇〇を注意しました。ご家庭でも気を付けてください!」といったマイナスな文章はNGです。
もしも、保育園で子どもが問題行動をとっているなら、ほかの保育士に相談した上で保護者に直接伝えましょう。

連絡帳のコツ④ 保護者からの質問や悩み相談にはしっかり答える

「こんなときはどうすればいいですか?」と質問や相談ごとが保護者のコメント欄に書かれている場合もあります。
そのときは、必ず回答となる文章を書きましょう。
うっかりスルーしたり、質問の内容からずれた回答をしたりすると、保護者からの信用をなくしかねません。
連絡帳を通して質問や相談をされた際は、保護者の意図をしっかりと汲み取った上で、アドバイスとなる文章を簡潔に添えましょう。
文章で書きにくいときは、お迎えの際に口頭で伝えてもよいでしょう。

連絡帳のコツ⑤ 文章が苦手ならイラストを添えてもOK!

保育園の方針によりますが、文章が苦手ならイラストを添えるという方法もあります。
子どもの動きや表情などをより噛み砕いて伝えたいときにイラストを描けば、文章よりも雰囲気が伝わりやすくなるケースもあります。
ただ、保育園によってはイラストがNGな場合もあるため、先輩保育士に相談してから書きましょう。

こんなときはどう答える?シチュエーション別に連絡帳の例文を紹介

新人保育士のうちは、連絡帳の保護者からのコメントや新年度初日など、「何を書けばいいか分からない」ということもあるかもしれません。
ここでは、シチュエーション別に、連絡帳に記入する例文をご紹介します。

連絡帳の例文① 新年度の初日の挨拶

新年度の初日は、子どもや保護者、そして保育士にとっても大きな区切りとなる日です。
文章は、次のようなものがおすすめです。

入園(進級)おめでとうございます。
担任の〇〇と申します。1年間よろしくお願いします。

今日は入園初日だったので、朝はちょっぴり泣いていた〇〇ちゃんですが、その後慣れてきて、〇〇〇して遊んでいましたよ。

今後も〇〇ちゃんが保育園になれるまで、見守っていきます。
ご要望があれば、遠慮せずにご相談くださいね。

連絡帳の例文② 「家でご飯を食べないんです」という保護者への回答

よくある保護者の相談は、「保育園ではご飯を食べるのに、家では食べないんです」というものです。
子どもによって理由は異なりますが、基本的には次のような回答がいいでしょう。

〇〇ちゃん、家だとリラックスしてしまって、ついつい甘えちゃうみたいですね。〇〇ちゃんはお母さんが大好きなので、いっぱい褒めてあげてください。
もしも嫌がって食べない場合は、お母さんやご家族の方と同じ盛り付けにしたり、お皿を「おそろい」にしたりするといいですよ。

連絡帳の例文③ 子ども同士でトラブルがあった場合

子どもにケガやトラブルがあったときは、基本的には、経緯を詳しく書きましょう。
もちろん口頭でも伝えますが、保護者が後でトラブルの内容を整理するために、連絡帳にも記入しましょう。

今日の〇時頃、〇〇ちゃんがお友だちと追いかけっこをしている途中、ジャングルジムから落ちてしまいました。未然に防げす大変申し訳ありません。足をすりむいていたので、消毒した後に絆創膏を貼らせていただきました。足首が痛いとのことでしたので、その後30分間、足首を冷却しました。今後、同じことが起こらないよう、日々注意してまいります。

「伝わりやすい」連絡帳の書き方のコツ まとめ

連絡帳は子どもの成長を記すだけでなく、保護者との信頼関係を築く重要なツールです。
今回ご紹介したような、文章を書くコツや例文を、今後の保育業務に生かしてみてください。

こちらの記事もどうぞ