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子どもの「学び」とは? 保育園と幼稚園のキニナル教育格差

子どもの「学び」とは? 保育園と幼稚園のキニナル教育格差

学力レベルに「わずかな差」はある

保護者としては、「保育園出身の子どもと幼稚園出身の子どもを比べると、学力レベルの差はあるのでは?」とうことが気になると思います。

結論から言うと、両者の学力レベルには、「わずかな差」があります。
就学前教育と学力の関係を調査したものがあります。それによると、保育園出身者より幼稚園出身者のほうが学力スコアが高いという結果が出ています。

しかし、前項に書いたように、近年では幼保一元化の動きが大きくなっています。
さらに、文部科学省のデータによると、幼稚園の施設数は昭和60年度をピークに減少しており、保育園と認定こども園が増加しています。
そのため、今後は保育園・幼稚園という垣根のない保育・教育形態が一般的になると予測できるのです。
学力レベルの差も次第に小さくなっていくでしょう。

そもそも学力格差は「しつけ」によるもの

最近では、学力格差の要因が「保護者の収入」にあるのではないか、という指摘があります。
高所得家庭の子どもの方が、低所得家庭の子どもより知能指数が高いというデータはたしかにあり、そうした意見を誤りと決めつけることはできません。

しかし、学力の格差は、しつけによってこそ生まれるというデータもあります。
ベネッセの「しまじろうパペット」を考案し、NHK「おかあさんといっしょ」の番組開発にも携わっている内田伸子氏(言語発達・認知発達研究者)は、次のように書いています。

幼児期の家庭の収入は、小学校1年の国語学力や語彙力とは関連はなかった。しつけスタイルや保育形態は学力と因果関係があった。

つまり、子どもの学力と関係がより深いのは「収入」より「しつけスタイル」「保育形態」であるということです。

しつけスタイルは主に、「共有型」「強制型」の2パターンに分けられています。

しつけスタイル しつけの特徴 子どもの学力
共有型
  • 子どもを一人の人間として尊重する
  • 子どもとのふれあいや会話を大事にして、楽しさを共有する
  • 夫婦の会話も大事にしている
国語学力や語彙力が高い
強制型
  • 「子どもをしつけるのは親の役目」「自分の思い通りに子どもを育てたい」というしつけ方
  • 場合によっては罰を与えたり、責め立てたりする
  • 力によるしつけを行うこともある
  • 低所得・高所得の家庭どちらにも見られる
国語学力や語彙力が低い

また、一斉保育で文字の読み書きや計算などに取り組む子どもより、自発的な遊びを優先する保育を受けた子どもの方が、学力が高く語彙力も豊かであるという結果も出ています。
つまり、子どもの施設でも家庭でも、子どもの学力を伸ばすには「子どもの主体性を尊重するしつけ」が求められるのです。

子どもにとっての「学び」とは何か

保育園や幼稚園は、学力だけではなく、「学び」を養う場所でもあります。

子どもにとっての「学び」には多くのものがありますが、中でも以下の4つが重要です。

  • 生活習慣
  • 人との関わり
  • 情緒や感性の発達
  • 言語・音楽・美術に親しむ

子どもにとっての学び① 生活習慣

子どもに計算や英語などの学力をつけさせることも大事ですが、それ以前に、規則正しい生活習慣を身に付けることはより大切です。

保育園でも幼稚園でも、生活習慣を促すために次のような内容が取り入れられています。

  • 衣類の着脱
  • 排泄
  • 時間を守って行動する
  • ご飯を食べる
  • 片付ける
  • 手洗い・うがい