海外インターン留学で実践力・指導力のある保育士を育成~Y&K Narita International school 代表 伊藤健太氏インタビュー

海外インターン留学で実践力・指導力のある保育士を育成~Y&K Narita International school 代表 伊藤健太氏インタビュー

留学で世界観を広げ、本当にしたいことを見つける

Y&K Narita International school 代表 伊藤健太氏

保育ネクスト
留学希望者はどこで募集しているのですか。

転職を考えていたり就職で悩んでいたりする教育者が、僕が発信しているSNSに興味を持ってくださり、連絡をいただくことが多いのですね。

保育ネクスト
どういう考えをもっている人たちですか。

日本の教育に疑問を抱いている方が多いですね。現場に立って子どもたちを指導していく中で、日本の教育方針のままでいいのかと疑問を抱いている方が多いです。
半数は留学経験があり、もう一度海外で自分の思っている教育を子どもたちにやってみたいという気持ちをもっている方です。
留学経験がない方でも、教師になる前に悩んでいる方や、教師になる前に多様な価値観や知識を身につけたいという方が多いですね。

保育ネクスト
かなり意識が高い人たちということですね。

途中であきらめて帰ってしまうような人はいません。
日本語指導インターンではあまりお金を稼げないので、お金よりも自分の思いや使命感を重視する人を採用しています。
日本語指導インターンや保育士のコースは子どもと関わっていく仕事ですから、保護者や学校関係者などが後ろにいるので、軽い気持ちで行って「辞めます」となると、いろいろな人に迷惑がかかってしまいますから、「とりあえず海外に出てみたい」という軽い気持ちだと難しいでしょうね。面接ではそういうことをしっかりお話ししています。
全体に意識が高い人が多いですね。中には、高校卒業してすぐ世界の教育を見たいという方もいました。
この方はインターンとして10カ月ほど留学しながら働き、帰国後はまた1年ほどデンマークの教育を見に行く予定だそうです。

保育ネクスト
留学サポートはどのようなステップで行うのですか。

英語+実習インターン+スキルアップという3つのステップで、半年~1年で教師としてのスキルを高めてもらいます。
まず3~6ヶ月かけて、最低限の英語を学んでもらいます。その後、日本語指導のインターンとして現地の子どもたちに触れあってもらいます。現地の子どもたちは学び方や指導方法も一人ひとり異なりますから、教育の多様化を肌で感じてもらえます。さらにスキルアップしたければ英語の資格を取ったり、日本語教師の資格を取ったりするサポートも行います。
保育者専門の海外研修も行っています。午前中は英語を学んでもらい、午後は保育園で研修をしていただく形のプログラムです。

保育ネクスト
留学をされた方の事例をご紹介ください。

もともと保育園勤務経験もある方で、3カ月ほどアメリカに保育研修に行ったこともある方がいます。
アメリカと日本の違いにカルチャーショックを受けたり、自分の意見を持つことの大切さを学んだそうです。
帰国してからも保育士として働いていたそうですが、もっと海外で教育を学びたい、英語も教えられるようになりたいという希望がありました。そこで思いきって保育士を辞め、今はオーストラリアに2年ほどいらっしゃいます。4月から学生ビザに切り替えて、英語指導者資格を取った後に、オーストラリアで保育士資格を取る予定です。自分がやってきたことを、これから保育士になる人たちに伝えていくそうです。

Y&K Narita International school
オーストラリアの保育光景
保育ネクスト
留学経験によって、どんなことが得られているでしょう。

この方は、向こうでの生活で世界観が広がり、自分のことにフォーカスできる時間もあったので、新しい自分や本当にしたいことを見つけられたようです。皆さん、新たな目標や夢を見つける方が多いですね。

保育ネクスト
帰ったら寝るだけではなく、ワーク・ライフバランスが大事にできる?

国柄としてオーストラリアには残業が一切ありません。
学校も3時15分には完全に閉まってしまうので、それに合わせて保護者がお迎えに来ます。保護者の職場も日本より理解があります。

保育ネクスト
生活で戸惑うことはありますか。

英語でぶつかるのが一番多いですが、銀行口座の開設や携帯電話の契約、税金番号や年金番号の取得という手続きも壁になります。
僕も最初は苦労しました。
人に聞いても英語で説明されるので全然分からないし、日本人に聞いてもよく分かっていなかったりして、1カ月、2カ月は手探りでした。
当社でもそのへんはサポートしており、飛行機のチケットとパスポートだけ取得してもらい、入国後1週間までは生活に必要なものを準備しています。

保育ネクスト
メンタル的な壁もありますか。

日本人は自分を出すのが苦手です。僕自身、日本では積極的なほうだと思っていましたが、自分を発信しないと埋もれてしまい、なかなか自分の思いを伝えたり行動を起こせませんでしたね。
トラブルに巻き込まれることもあります。日本に比べたら犯罪が多いので、盗難やひったくりに遭ったり、家に帰っても中に入れなかったり、日本ではあり得ないことも起きます。しかし、だんだん慣れてくると冷静に対処できるようになります。そういう面ではかなり精神的にも強くなり、臨機応変に対応できるようになりますね。
今まで出会わなかったような問題にぶつかったときに、海外では助けてくれる人がいませんから、自分で解決することでかなり成長できます。自分の考えや価値観が構築されていくことは教育の上でも役立つと感じます。
あとは、オーストラリアでは美容師やネイリスト、マッサージ師など技術系の仕事は問題ないのですが、日本での保育資格があってもそれを活かせる環境が少なく、現地の資格をとらなければなりません。
結局、ジャパニーズレストランなどで働いてしまうことになるので、ちょっともったいないですね。

保育ネクスト
インターンとして子どもたちに教えることでの戸惑いは?

僕自身が戸惑ったのは、日本の子に比べてかなり算数力が弱いことでした。
掛け算ができない子、繰り上がりの足し算ができない子が高学年にもたくさんいるので、日本語指導とあわせて時計の見方など生活に必要な計算を教えました。
そういう子を学力が低いと決めつけるのではなく、いろいろな手立てを使って子どもたちが楽しく学べるようにしています。

オーストラリアの教育現場では、人に対する接し方はかなり厳しく指導していますね。
学習は二の次で、とにかく個性を大事にして、のびのびと自由に生活を送れるようにすることが第一方針です。
クラスでけんかが起こったら当事者だけで話し合うのではなく、授業を中断して、なぜそういう問題が起きたのか、今後どうすべきなのか、クラスの全員で話し合う光景がよく見られます。

Y&K Narita International school
イベントの様子
保育ネクスト
留学前と後ではどういう変化がありますか。

オーストラリアの日本語指導インターンは、最低限の指導はしますが、教材づくりや授業展開を全部自分で考えてもらいますから、ストレスなく自分のやりたいことをできます。
ただ教え込まれた指導方法に従うのではなく、自分で考え抜いた良い指導方法を改良して構築していけるようになりますので、帰国する頃には実践力や指導力が身についています。
国内で普通に保育士の仕事をしていただけでは、なかなか身につかないものです。

保育ネクスト
帰国後に経験を活かしている例をご紹介ください。

教員免許は持っていて、先生になってみたいけど向き不向きが分からないからインターンで学びたいという子がいました。
帰国後は当社の紹介で、フィンランド式の教育を取り入れている山梨県の素和美小学校という学校でお勤めしています。
素晴らしい人材だったので、これからも育成した人材をご紹介してほしいというお褒めの言葉を校長先生からもいただいています。

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