海外の保育を学んでスキルをアップさせたい、ゆくゆくは海外で保育士として働きたいという夢をもっている保育士は少なくありません。当サイトでも、保育士のオーストラリア留学をサポートしている「Y&K Narita International school」のインタビュー記事を掲載していますが、今回は、海外で保育の仕事をしたい人におすすめの「チャイルドケア留学」について解説します。
この記事のもくじ
チャイルドケア留学とは?
今回紹介する「チャイルドケア留学」とは、海外の専門学校や大学で保育士(チャイルドケア)資格を取るために勉強したり、海外の保育園・幼稚園・託児所で一時的に働いたりするものです。
主な留学先は、オーストラリアやカナダ、ニュージーランドなどです。
日本で取得した保育士資格はあくまでも日本でのみ有効なもので、海外では使えません。
このため、一時的にでも海外で保育士として働くためには、現地で資格取得を目指す必要があります。
この点、チャイルドケア留学なら勉強をしながら実務経験を積めるので、海外での就職活動でのアピールポイントになります。
チャイルドケア留学の3つのプログラム例
チャイルドケア留学のプログラムは主に3つのタイプに分けられます。
それぞれの特徴についてチェックして、自分に合ったものを見つけてくださいね。
チャイルドケア留学のプログラム例①
ボランティア
ボランティアは、現地の保育園や幼稚園で保育補助をするという留学プログラムです。
- 現地の子どもと遊ぶ
- 実際の保育の様子を見守る
- 現地の保育士をサポートする
ボランティアですから、報酬などを得ることはできませんが、1~3週間という短期間で参加できるというメリットがあります。
未経験でも参加しやすいので、これから保育士を目指す人にもおすすめです。
チャイルドケア留学のプログラム例②
インターンシップ
インターンシップは、実践教育として専門学校や大学がプログラムとして取り入れているものです。
ボランティアと同様に、保育アシスタントとして現地の子どもたちと触れ合えます。
ボランティアと異なるところは、就労するために日本での保育士資格や幼稚園教諭免許や語学スキルなどが求められるということです。
また、インターンシップには無給・有給の2種類があります。就労の際は事前に条件を確認しておきましょう。
チャイルドケア留学のプログラム例②
オペア
オペアとは、現地の家庭にホームステイして、ステイ先の子どもをお世話するという留学方法です。
子どもの見守りや家事の手伝いをするため、滞在費や食費をホストファミリーが負担してくれます。
留学費用を抑えたい人や、より深く子どもと関わりたい人にはおすすめです。
ただし、オペアには年齢制限や、保育経験や犯罪歴の有無、語学スキルといった条件が設けられていることがあります。
運転免許の所持が条件になっているケースもあるので、事前にチェックして自分のスキルに見合ったステイ先を選びましょう。
チャイルドケア留学の費用は?
チャイルドケア留学には、専門学校・大学の学費のほか、交通費やビザ代、生活費などがかかります。
それぞれの費用の目安を確認していきましょう。
チャイルドケアの学費はコースや期間によって変動する
ボランティアの場合、就労自体には学費などはかかりませんが、専門学校・大学に通う場合は当然学費がかかります。
これらの学費はコースや期間にもよりますが、一般的な学費には年間160~250万円がの目安です。
割引キャンペーンを実施している学校もあります。
学費以外にかかるチャイルドケアの初期費用・生活費
チャイルドケア留学の際は学費以外にも、初期費用・生活費などが必要です。
- ビザ代
- 飛行機のチケット
- 健康保険の加入にかかる費用
- ホームステイなどの滞在費用
- 部屋を借りた場合の家賃
- 食費
合計すると、30~50万円ほどの費用がかかるでしょう。
もちろん、滞在場所や留学方法によって金額は変動します。
チャイルドケア留学で必要なビザ
チャイルドケア留学で必要なビザは、学生ビザ・ワーキングホリデービザなどです。
それぞれのビザの条件について、オーストラリアを参考にしながら紹介します。
チャイルドケア留学で必要なビザ①
学生ビザ
専門学校や大学で3カ月以上就学する場合は、学生ビザが必要です。
学生ビザは6カ月以上滞在することができますが、政府の認定を受けている学校でフルタイム(週25時間)に就学する義務があります。
就学しながら、週20時間までの就労も認められており、勉強をしながら保育園や幼稚園などのアルバイトができます。
チャイルドケア留学で必要なビザ②
ワーキングホリデービザ
ワーキングホリデービザは、最長4か月間の就学、最長6カ月間の就労ができるビザです。
滞在期間は基本的に1年程度となっていますが、オーストラリアやニュージーランドの場合は、条件を満たせば期間を延長できます。
ただし就学できる期間が短いので、ワーキングホリデービザで資格を取得することは難しいでしょう。
あくまでも、ボランティアや現地でのアルバイトを目的としたチャイルドケア留学に合ったビザとなります。
チャイルドケア留学のメリット
チャイルドケア留学のメリットを5つ紹介します。
チャイルドケア留学のメリット①
ボランティアなら初心者でも挑戦しやすいこと
インターンシップやオペアの場合は、保育士資格をはじめ、英語スキルなど、さまざまなスキルが求められますが、ボランティアなら条件が少ないことも多いため、海外留学初心者や保育の実務経験がない人でも挑戦できるでしょう。
また、ボランティアの期間が1〜3週間と短いので、社会人でも参加しやすいと思います。
チャイルドケア留学のメリット②
海外の保育を学べること
保育観や、保育の仕方は、国によってさまざまです。
チャイルドケア留学を行うと、保育や幼児教育の概要やカリキュラムの作成方法といった知識や、現地の保育園・幼稚園でのインターンシップなどの実技を学べます。
また、オペアの場合は、ステイ先の家庭の教育方針などに触れることになるので、保育園や幼稚園とは違った観点から子どもとの関わり方を学べるでしょう。
将来的に海外で働くかどうかを決めていない人でも、留学で学んだことを日本での保育に活かすことができ、保育スキルのアップにつなげられます。
チャイルドケア留学のメリット③
英語スキルが上達すること
専門学校や大学でチャイルドケアのコースを受講する場合は、一定以上の英語スキルが求められますが、チャイルドケアのコース以外に英語コースも用意しているところもあり、そこで英語スキルを磨きながら保育を学べます。
さらに、オペアなら現地の家庭にホームステイできるので、日常的な英会話スキルを上達させられるでしょう。
現地の子どもとのやりとりでは難しい英語を使う機会はあまりないので、英語初心者にとってはハードルが低めと言えます。
チャイルドケア留学のメリット④
年収アップを期待できること
海外の保育士の年収は、日本の保育士に比べて高額になる傾向があります。
厚生労働省のデータによると、日本の保育士の平均年収は約363.5万円、平均月収は約30.3万円ですが、オーストラリアの保育士の平均時給は約30ドル前後と言われています。これは現在のレートで月収換算すると45万円程度ということになります。
もちろん、就職先や役職によっても異なりますが、日本より好待遇であるという期待があります。
参考
厚生労働省「保育士の現状と主な取組」
Ausutralia Gorvament Fair Work OMBUDSMAN 「Children’s Services Award [MA000120] Pay Guide Published 12 April 2022」
チャイルドケア留学のメリット⑤
現地に移住できる可能性が高いこと
オーストラリアなど、永住権を獲得できる職種のひとつとして「保育士」が登録されている国もあります。
永住権を取得するには、現地学校のチャイルドケアコースを卒業して資格を取得し、卒業ビザを取得し、現地の保育園・幼稚園などから内定をもらい、実際に勤務した後で永住申請するという流れになります。
オーストラリアでは、申請者の年齢や英語力、職業やオーストラリア国内外の勤務経験などがポイント制で換算され、一定のポイントを超えれば、永住権を取得できます。
チャイルドケア留学は、海外で保育士として働き続けたい人にとっては、将来につながる大きなチャンスと言えるでしょう。
チャイルドケア留学で海外の保育を学ぼう
チャイルドケア留学は、現地の保育園・幼稚園などでのボランティアや、専門学校や大学のインターンシップ、ホームステイ先の子どものお世話をするオペアなどのプログラムがあります。
ボランティアなら短期間ですし、初心者でも参加可能なケースが多いので、比較的気軽にチャレンジできるでしょう。
チャイルドケア留学で海外の保育を学ぶことで、視野が広がり、日本での新しい保育のアプローチを実践できるようになります。
また、永住権を取得できる可能性が高いので、今後は海外で保育士として働き続けたい人にもおすすめです。
今のうちから英語を学んだり、またはインターナショナル系の保育園に転職して英語に触れあう機会を増やしたりして、チャイルドケア留学に備えておきましょう。
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