信頼される保育士になるための基本マナー

信頼される保育士になるための基本マナー

新人保育士や、転職したばかりの保育士が悩みがちなのが「保育園のマナー」です。
今回は、身だしなみ・仕事・保護者対応・電話対応など、どの保育園にも共通する「保育士の基本的なマナー」を解説します。

信頼され、仕事を円滑に進めるにはマナーが必須!

保育士というのは、子どもや保護者、同僚をはじめとする「人」と関わっていく職業です。
集団の中で人との信頼関係を築くには、まずマナーが大切です。
礼儀正しく接することで相手とスムーズにコミュニケーションできますし、マナーを守って行動するからこそ、仕事が円滑に進められるのです。
とはいえ、一般的なビジネスマナーや、保育園特有のマナーは、なかなか学校では教えてもらえませんよね。マナー講習や研修に足を運んで学ぶこともできますが、まずは知識として身につけておきたいものです。
それでは、保育士が心がけるべきマナーを具体的に解説していきますね。

園の顔として心がけたい身だしなみマナー

まず、保育士の身だしなみに関する基本的なマナーを解説します。
仕事がいくらできても、身だしなみが整っていなければ、周囲からの信頼は得られにくいものです。まずは身だしなみのマナーを守って、子どもたちのお手本となる保育士を目指しましょう!

保育士の身だしなみマナー
髪型はまとめる!装飾品も控える

髪型はまとめておくのが基本です。ヘアゴムを使って一本にまとめたり、サイドに結わえたりするヘアスタイルをする保育士が多いですね。
髪の毛をまとめないと、動きにくくなったり、視界が狭くなったりします。乳児が髪をくわえたりするなどの危険もあります。
また、バレッタや飾り付きのゴムなどの装飾品は、落ちたときに乳児が口に入れてけがをする可能性もありますから、使うなら装飾品のないシンプルなヘアゴムにしましょう。

保育士の身だしなみマナー
服装はオフィスカジュアルで

出勤時の服装は、派手すぎないオフィスカジュアルのものを選びましょう。
保育士は、一人ひとりがその保育園の「顔」になります。保育園の周辺で保護者とばったり出会っても好印象を持ってもらえるような服装を心がけましょう。
具体的には、モノトーンやネイビー、パステルカラーなどを基調とした清潔感のあるシンプルなスタイルがおすすめです。露出が少なく、派手すぎない印象のものがよいでしょう。
とはいえ、スウェットやジャージなど、保育中の服装のまま出勤・退勤するのはNGです。社会人としてふさわしい服装にしましょう。

保育士の身だしなみマナー
きつい香水・タバコ臭はNG!

身だしなみとして、「爪を短くする」「化粧は控えめに」などは当然のことですが、つい忘れがちなのは、「におい」への気配りです。
子どもの中には、感覚過敏の子どもやアレルギー持ちの子もいます。きつい香りの香水は控えましょう。身体のにおいが気になる場合は、制汗スプレーや汗拭きシートがおすすめです。
たばこ臭も、子どもが苦手なにおいです。保護者からも悪印象を持たれてしまう可能性がありますから、たばこを控えたり、服ににおいが付いていないかチェックしたりしましょう。

社会人として心がけたい仕事マナー

続いては、仕事に関するマナーです。
子どもや同僚との信頼関係を築くために、マナーにのっとって仕事をしましょう。

保育士の仕事マナー
報連相は基本!

「報告」「連絡」「相談」は社会人の基本です。
任された仕事の進歩状況や業務連絡も忘れずに伝えることで、仕事が回りやすくなります。もしミスをしてしまっても、すぐに周囲に報告すれば、事態が悪化してしまうことを防げたり、スムーズに問題解決ができたりします。
とくに新人保育士の場合は、自分一人だけで判断するのは危険です。保育中の悩みや子どものトラブルなど、「これってどうすればいいんだろう?」と思ったら、遠慮せずに先輩保育士に聞きましょう。

保育士の仕事マナー
子どもの前で若者言葉は使わない

子どもの前では、不適切な言葉遣いは控えましょう。
保育士が「マジ」「ヤバい」「ウケる」といった若者言葉を話してしまうと、子どもは面白がって真似します。家でもその言葉を真似した子どもの保護者から「あの保育園、大丈夫かな?」と不信感を持たれてしまうことにもつながります。
「保育士は子どものお手本」ということをつねに念頭に置き、正しい日本語を心がけましょう。

保育士の仕事マナー
保育士間で共有しているものは、必ず元の場所へ戻す

保育園にあるものは、基本的に「保育園のもの」です。自分が持参しているもの以外は「借りもの」という意識を持つことが大切です。ハサミやテープ、工作の素材など、保育園で借りてきてしまったものがあれば、必ず元の場所へ戻しましょう。
自分しか分からないような場所へ置いて独り占めしたり、そのまま借りっぱなしにしたりすると、周りの保育士が困ってしまいます。
新人のうちは、「○○をお借りします」と周りに一声かけ、返すときには「ありがとうございました」というようにお礼の言葉を添えると、丁寧な印象になりますよ。

頼りにしてもらうための保護者応対マナー

保育士になりたての頃にいちばん悩むのが、「保護者との応対の仕方が分からない」ということです。
基本的なマナーを押さえて、保護者から頼りにされる保育士を目指しましょう。

保護者応対マナー
会ったら必ず挨拶する

保護者からの信頼を獲得するには、まず挨拶から始めましょう。
子どもの登園時や降園時はもちろんのこと、出勤や退勤の際に道ですれ違ったときも、自分から挨拶するのがベストです。
保護者の存在に気づきながらも、挨拶をしなかったり、気づかないふりをしたりすると、保護者から「無視された」「避けられてる?」と悪印象を与えてしまいます。
保護者と出会ったら、笑顔で挨拶をして、コミュニケーションの機会を作っていきましょう。これは次の項目にもつながっていきます。

保護者応対マナー
話しやすい雰囲気を作る

保護者にとって、保育士は「よき相談相手」でもあります。
保護者が子育てに関する悩みごとや、子どもの発達などを気軽に相談できるような、話しやすい雰囲気を作りましょう。
いつも笑顔で過ごし、保護者に話しかけるときも優しい口調を心がけるのが理想的です。物腰が柔らかく、礼儀正しい態度を心がければ、保護者から「話しかけやすい人」と認知されて、心の距離もどんどん縮まっていきます。
保護者と会ったときには、
「○○さん、こんにちは!お仕事お疲れさまです」
などと、普通の挨拶にねぎらいの言葉や世間話などをプラスすると、より親しみやすい雰囲気を作ることができます。
適切な世間話を思いつかないときは、子どもの一日の様子を伝えればいいでしょう。

保護者応対マナー
機械的な態度・命令は厳禁!

保護者と接するときに、機械的な態度をとるのはNGです。
たとえば、子どもがけがをしたときに、
「〇〇が原因でけがをしました。処置はしてあります」
というふうに、まるで事務連絡のように伝えたら、保護者の目にはとても冷たい印象に映るでしょう。それ以前に、保護者に対して失礼なことになります。
保育園側に過失があるときは、
「申し訳ありませんでした」
「今後、同じことが起きないよう改善いたします」

といった謝罪の言葉を添えて誠意を示しましょう。
また、保護者にお願いごとをするときも、「○○してください」と命令口調にならないように注意しましょう。言い方によっては横柄な印象になりかねません。
「○○してくださると助かります」
「○○がおすすめです」

といったやわらかい表現を選びましょう。

出るのがこわくなくなる電話応対マナー

多くの保育園では、電話の応対が毎日のようにあります。
子どもの欠席連絡、系列園からの連絡などがそれですが、電話応対のマニュアルをきちんと整備している保育園はあまりないため、なかなか電話応対に慣れることができないという保育士さんも多いでしょう。
まずは基本的な電話対応のコツをチェックしていきましょう。

保育士の電話応対マナー
正しい敬語でハキハキと話す

電話応対に慣れないと、ついつい声が小さくなってしまいますよね。
相手が聞き取りやすいように、できるだけハキハキと話してください。
電話に出たら、
「はい、○○保育園の○○(自分の名前)です」
と名乗り、
「ご用件をお伺いしてもよろしいでしょうか?」
と相手の用件を聞きます。
担当者が不在の場合は、
「ただいま、○○(担当者)は不在でして、〇時になれば戻ってきます」
というように、保育士の名前には「先生」「さん」などの敬称を付けず、また「いない」ということを伝えるだけでなく、戻りの予定を伝えましょう。
正しい敬語で話せば、相手との意思疎通もスムーズになります。

保育士の電話応対マナー
あいまいな返事はせず、すぐに確認する

電話応対中に自分が分からないことを聞かれても、
「たぶんそうですね」
「きっと〇〇だと思います」

というような、あいまいな返事をしてしまうことは避けましょう。
もしその答えが間違っていたら、相手をのちのち困らせてしまうことになりますし、内容によっては、保育園側の責任を問われるようなこともあるかもしれません。
分からないことがあれば、
「申し訳ございませんが、私には分かりかねます」
「確認してまいりますので、少々お待ちくださいませ」

と声をかけて、ほかの保育士に確認しましょう。

保育士の電話応対マナー
メモを忘れずに!

電話応対中は、できるだけメモをとりましょう。
相手の名前や用件、電話番号などをメモしておくと、折り返し電話するときに便利です。
また、ほかの保育士に伝達事項がある場合も、メモがあれば伝えやすくなります。
きちんと応対することに集中するあまり、電話を切ったら肝心なことを忘れている、というようなことにならないように、電話対応の際はしっかりメモをとりましょうね。

「子どものお手本」をいつも意識して!

信頼される保育士になるための基本マナー
基本的なマナーをきちんと守れることができれば、一人前の保育士にぐんと近づけます。
活動の準備や子どもの対応などに追われることが多く、いつも忙しい保育士の仕事ですが、どんなときでも、「子どものお手本」であることを意識して、日頃の業務をこなしていきましょう。

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