「児童票」は子どもたちの成長を記録する書類です。進級や小学校への引き継ぎの際にも使う大切な書類なので、「どうやって書けばいいの…?」と悩んでいる現役保育士もいると思います。そこで今回は児童票の書き方を解説します。年齢別の例文や書くときのポイント、効率的に書くコツも解説しますので、ぜひチェックしてみてください。
児童票とは?
児童票とは園児一人ひとりの「在籍記録」「成長過程」「保育記録」を記載した書類です。
児童票の記載内容
- 在籍・生活にまつわる記録…家族構成・住所・住居環境・かかりつけ医・緊急連絡先・生育歴など
- 健康にまつわる記録…健診結果・予防接種記入欄・罹患状況・出席状況など
- 発達にまつわる記録…運動発達・人間関係・知的好奇心・感性・表現力・生活習慣など
基本的には、進級時や就学時の引き継ぎの際に、子どもへの理解を深めるために共有されます。
児童票の構成
児童票の内容や構成は保育園によって異なりますが、一般的には次のような構成で書かれています。
書き出し | 子どもの成長の総括 |
---|---|
|
|
書き終わり | まとめの文章、今後の方針について |
メインエピソードは具体的かつ端的に箇条書くのがポイントです。
ただ、事実だけを書くのではなく「5領域」「10の姿」の視点を意識しつつ、子どもの個性や成長ぶりが分かるような文章を心がけましょう。
保育園によっては箇条書きでまとめる場合もあります。
箇条書きの場合は書き出しや書き終わりは省力してOKです。
児童票は何で書く?
児童票は基本的に黒ペンで書きます。
正式な書類なので、ボールペンや消えるペンでは書かないよう注意しましょう。
ただ、ICTシステムを導入している保育園はパソコンやタブレットで入力するのでペンを用意する必要はありません。
児童票を書く頻度
児童票には「~カ月に〇回は記録する」といった決まりはありません。
そのため、保育園によって児童票を書く頻度は違います。
基本的には成長が著しい乳児クラスの場合は、毎月~数カ月に1回のペースで作成することがほとんどです。
一方、成長が緩やかな5歳児クラスの場合は、前期(4月~)・後期(10月~)に分けて作成することもあります。
年齢別・児童票の書き方【例文付き】
年齢別に児童票の書き方を解説します。
例文や書くときのポイントも紹介するので、「児童票の書き方が分からない」という保育士はぜひ参考にしてみてください。
0~1歳児の児童票の書き方
0~1歳は発達や成長が著しい時期です。
個人差もあるので、子どもの個性や発達度合いを踏まえたうえで、発達段階に応じた内容を記載するのがポイントです。
- 離乳食前期を開始。開始してから1~2回ミルクをほしがって泣いていたが、徐々に慣れて自ら口を開けるようになった。
- しかけ絵本を自分で取って保育者へ渡す姿が見られる。「ばあ」「びよーん」と擬音を発して読み聞かせすると、声を上げて笑う。
食事・運動・睡眠のほか、「遊び」「情緒」にまつわるエピソードを盛り込みながら、具体的かつ端的に書くように心がけましょう。
2歳児の児童票の書き方
2歳は「イヤイヤ期」とも呼ばれており、自我の芽生えや自己主張が顕著に表れる時期です。
体や機能の発達や成長はもちろん、情緒的な変化も見逃さずに記載するのがポイントです。
- ブロックや車のおもちゃなどのお気に入りのおもちゃを通じて、ほかの子どもと一緒に遊ぶ姿が見られる。ただ、ほかの子どもにおもちゃを貸さなかったり、相手の承諾を得ずにおもちゃを使ったりしてトラブルに発展することもあった。「おもちゃはみんなのもの」「借りたいときは相手に了承を得ること」という2点を伝えると、納得した様子でうなずいていた。
- トイレトレーニングのためおむつとトレーニングパンツを併用している。○月には初めて保育園のトイレでの排泄に成功し笑顔を見せていた。今後はおむつを履く頻度を減らしてパンツに切り替えていく予定。
2歳は少しずつ周りの子どもとのかかわりが増え、協調性が身に付き始める時期です。
援助なしで食事できるようになる年齢ですし、トイレトレーニングが始まる年齢でもあります。
「自立」にまつわる内容に注目しながら、子どもの成長過程や保育過程を記入しましょう。
3~5歳児の児童票の書き方
3~5歳児は基本的な生活習慣が身に付くとともに、協調性や社会性も身に付く時期です。
友だちとのかかわりも増えるので、資質能力や遊びのほか、人間関係にも注目しながら記載しましょう。
- 友だち3~4人と一緒に、お店やさんごっこをして遊ぶ姿がよく見られる。「どの役をやりたいか」を訪ねたり、話をまとめたりするリーダーシップのある行動がみられるようになった。
- 主活動で習ったひらがなを、自由時間で練習している。ノートに羅列したり、保育士向けに手紙を書いたりしている。今後は絵本や50音かるたなどを使って、さらに文字に対する関心を引き出していきたい。
周りの子どもととの関わり方や、集団生活の中でのルールや規律の捉え方など、遊びを通して垣間見える成長を記載しましょう。
また、年下の子どもとの関わりの中で、発見や成長が見られた場合も、貴重なエピソードとしてこまめにメモしておくことをおすすめします。
保育士が児童票を書くときのポイント!
保育士が児童票を書くときのポイントは主に3つあります。
- 日頃からこまめにメモしておく
- 具体的なエピソードを盛り込む
- 先輩保育士の書き方を参考にする
それぞれのポイントを押さえて、より分かりやすい文章を心がけましょう。
児童票のポイント①
日頃からこまめにメモしておく
児童票を書かない時期でも、日頃からこまめにメモを取っておきましょう。
児童票は基本的に数カ月に1回のペースで書くので、期間が空くと子どもの成長や具体的なエピソードを忘れてしまう可能性があります。
日頃から子どもの成長や、印象的なエピソードを記録しておけば、より具体性のある内容を書き込めます。
児童票を書くたびに思い出す手間も省けるので、スムーズに作成できるでしょう。
児童票のポイント➁
具体的なエピソードを盛り込む
児童票の文章は長すぎてもNG、具体性に欠ける文章もNGです。
「ひとりで食べられるようになった」「友だちと遊ぶようになった」などの文章では、子どもの姿がイメージしにくいので、より具体的な内容を記載しましょう。
具体的に書くポイント
- いつ…例:自由時間、給食時、午睡時など
- 何を…例:電車のおもちゃ、絵本、スプーン・フォーク
- 表情…例:笑顔を見せて、涙を流してなど
- 解釈の理由…例:「何度も~しており、興味がある様子」「笑い声をあげて機嫌がいい」
注意点は、できるだけ「推測」や「保育士主観の解釈」を書かないことです。
推測や解釈は、事実と異なるケースがあるので正式な記録として記入するのはふさわしくありません。
書く場合も「~という姿を見せており、~な様子だった」など、事実や根拠に基づいた解釈を書きましょう。
児童票のポイント③
先輩保育士の書き方を参考にする
児童票の書き方は保育園によって異なります。
さまざまな児童票の書き方
- ですます調orである調
- 文章or箇条書き
- フォーマットの有無
- 書き出し・書き終わりの有無
分からない場合は、先輩保育士が過去に書いた児童票をチェックして、雰囲気や書き方を参考にしてみましょう。
保育士が児童票を効率的に書くコツは?
保育士が児童票を効率的に書くコツは、主に2つ挙げられます。
- 連絡帳を参考にする
- デジタルツールを使う
それぞれのコツをチェックしていきましょう。
効率的な児童票の書き方①
連絡帳を参考にする
連絡帳は子どもの一日の様子を記載したものです。
連絡帳の過去のページを辿れば、子どもの様子や成長度合いが把握できます。
もちろん、すべてのページを書ききった連絡帳は保護者の方が持っているので、印象的なエピソードを書いたページをコピーしたり、メモに移したりして保管しておきましょう。
効率的な児童票の書き方➁
デジタルツールを使う
保育園でデジタルツールを使えば、効率的に児童票を作成できます。
パソコンやタブレットで入力するので、手書きする手間も省けます。
テンプレートやフォーマットが用意されているツールもあるので、簡略的に記録できるでしょう。
児童票を書くコツを知って丁寧に仕上げよう!
児童票は周りの保育士や、進級後に担任になった保育士と共有する大切な記録です。
誤字脱字に気を付けながら、子どもの個性が伝わるように、より具体性のある内容を記載するのがポイントです。
日頃からメモしたり、先輩保育士の書き方を参考にしたりして、丁寧に仕上げましょう。
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