保育士証交付に必要!「保育士登録」の手順と注意点

保育士証交付に必要!「保育士登録」の手順と注意点

今は、保育士として働くには、保育士資格と保育士資格の取得者であることを証明する「保育士証」を勤務先に提示することになりました。保育士証は、保育士試験に合格するか指定保育士養成施設を卒業し、「保育士登録」をすることによって交付されます。ただ、保育証発行までにかかる期間や手数料など、いくつか注意すべきポイントがあります。
今回は、保育士登録の手順と注意点を解説します。

保育士試験に合格したら「保育士登録」を

保育士として転職したり就職したりする際には、保育士資格を有している証明として、「保育士証」(コピー)を勤務先に提出する必要があります。
ただ、この保育士証は、保育士試験に合格したり、指定保育士養成施設を卒業したりすれば自動的に発行されるものではないことに注意が必要です。
保育士自身が「保育士登録」を行うことで、初めて保育士証が発行される仕組みになっています。
その「保育士登録」とはどのようなものでしょうか?

児童福祉法が改正されて「保育士登録」が必要に

2003年11月に児童福祉法が改正され、保育士として働く前に、都道府県知事に登録申請手続きを行い、保育士証をもらうことが必要になりました。これが「保育士登録」です。
それまでは、保育士(保母)資格証明書さえあれば保育士として働くことができましたが、改正後は、保育士証が交付されて初めて保育士として働ける流れになりました。
保育士登録制度の導入は、保育士という職業の信用性を担保するための制度とされています。

「保育士登録」は登録事務処理センターに申請

保育士の登録先は、申請者が住所を置いている都道府県ですが、具体的に申請書類を受け付けているのは、都道府県が委託している「登録事務処理センター」です。
このため、保育士登録をするためには、この登録事務処理センターから書類を取り寄せ、提出することになります。

参考 登録事務処理センター 3月卒業(修了)見込申請者の取りまとめのお願い

保育士登録の手順

保育士登録のステップは、大きく5つに分けられます。
ここでは用意するものやすべきことをステップごとにまとめました。
これから保育士証を取得する人はぜひチェックしてください。

保育士登録の手順
保育士登録の手順「保育士登録の手引き」を取り寄せる

まず、登録事務処理センターから、申請書や記入例などがセットされている「保育士登録の手引き」を郵送で取り寄せます。

【郵送での取り寄せに必要なもの】

  • 返信用封筒:1枚…角形2号(A4用紙が折らずに入るサイズ)
  • 返信用封筒に貼る切手:1部につき郵便料金140円(速達料金は基本料金+260円)
  • 返信用封筒を送るための送信用封筒:1枚
  • 送信用封筒に貼る切手:必要金額分

保育士登録の手順
保育士登録の手順手数料を支払う

保育士登録の手引きが届いたら、次は「保育士登録の手引き」の手数料を支払います。
払い込みの際は、「保育士登録の手引き」に同封されている専用の払込用紙を使います。

【登録人数分の手数料】

  • 登録1人あたり4,200円

【手数料の支払い手順】

  • 専用の手数料払込用紙にある、氏名を記入する箇所すべてに申請者本人の住所、氏名を記入
  • 郵便局の窓口で払込手続き(ATMでの払込手続きはできないため、必ず窓口で手続きをしましょう)
  • 振替払込請求書兼受領証(払込用紙の中心部分)と、振替払込受付証明書(払込用紙右側の部分)を受け取り、両方に郵便局の日付入り受付印が押印されていることを確認

振替払込受付証明書を紛失した場合は、必ず登録事務処理センターに連絡しましょう。

保育士登録の手順
保育士登録の手順申請に必要な書類を揃えて記入する

手数料を支払ったら、申請に必要な書類を揃えて記入します。

申請に必要な書類
保育士登録申請書 「保育士登録の手引き」に同封されています
振替払込受付証明書 「保育士登録の手引き」に同封されている手数料払込用紙のうち、右端の部分を保育士登録申請書の裏面に全面糊付けしましょう
保育士となる資格を証明する書類の原本
  • 保育士(保母)資格証明書
  • 指定保育士養成施設卒業証明書
  • 保育士養成課程修了証明書
  • 保育士試験合格通知書
  • 2005年度までに交付された保育士試験一部科目合格証明書(通知書)

のうち、連続した3年間で全科目合格していることが確認できるもの

現在の戸籍抄本(戸籍の個人事項証明書) 保育士となる資格を証明する書類に記載されている氏名と現在の氏名が、婚姻などによって異なる場合のみ必要です

保育士となる資格を証明する書類を提出する際は、コピーではなく必ず原本を添付しましょう。

保育士登録の手順
保育士登録の手順申請書類を提出する

申請書類の記入が終わったら、登録事務処理センターに郵送で提出します。

【提出先】
〒102-0083 東京都千代田区麹町1-6-2
登録事務処理センター

申請書類郵送の際は、必ず郵便局の窓口で簡易書留郵便を利用しましょう。
また、郵便局窓口で発行される「書留郵便物受領書」は、保育士証が手元に届くまで大切に保管してください(申請書類が届かないといったトラブルの際、提が求められる場合があります)。

保育士登録の手順
保育士登録の手順「保育士証」が発行される

申請書類を提出してしばらくすると、都道府県による審査・決定を経て、保育士登録簿へ登録された後に、保育士証が登録事務処理センターから郵送されてきます。
保育士証は就職や転職の際に必要な書類なので、届いたら紛失しないようしっかりと保管しましょう。

参考 社会福祉法人 日本保育協会 登録事務処理センター 保育士登録申請手続き(新規登録)

保育士登録の注意点

申請から保育士証発行にかかる期間や紛失時にすべきことなど、事前に留意すべきポイントをピックアップしました。就職・転職前に確認しておきましょう。

保育士登録で注意すべきこと
保育士登録の注意点申請~保育士証発行まで2カ月程度かかる

書類の不備などがなければ、保育士登録の申請から保育士証交付まではおおよそ2ヶ月程度かかります。
申請書類を郵送してから3カ月以上経過しても保育士証が届かない場合は、 登録事務処理センターに連絡してください。
その際は、「書留郵便物受領書」と「振替払込請求書兼受領証」が必要なので、書類提出後もなくさずに保管しておきましょう。

保育士登録で注意すべきこと
保育士登録の注意点「保育士登録済通知書」の有効期限は3カ月間

保育士登録済通知書は、指定保育士養成施設を卒業して保育士登録した後、保育士証が送付されるまでの間に交付される通知書です。
保育士を証するための通知書で、養成施設の卒業者のもとへ3月末〜4月に郵送されるのが一般的です。
ただ、通知書の証明の有効期限は、通知書作成日から3カ月間となっています。
そのため、保育士証が届く前に就職活動・転職活動をする場合、有効期限内に保育士登録済通知書を職場へ提出し、保育士証が手元に届いたらすぐにコピーを提出しましょう。
また、通知書は原則的に再交付されないので、取り扱いには注意が必要です。

参考
社会福祉法人 日本保育協会 登録事務処理センター 保育士登録の取扱いについて
社会福祉法人 日本保育協会 保育士登録済通知書

保育士登録で注意すべきこと
保育士登録の注意点名字や本拠地が変わったときは変更手続きが必要

保育士証が発行された後に、名字や本拠地が変わった場合は変更手続きが必要です。
変更手続きを行う際は、まず申請書や記入例などがセットされている「登録変更等の手引き(保育士証書換え交付申請用)」を登録事務処理センターから取り寄せます。
その後、手数料(書換え交付1人あたり1,600円)の支払いと手元の保育士証・現在の戸籍抄本などの書類を用意して、郵送します。

参考 社会福祉法人 日本保育協会 登録事務処理センター 保育士証 書換え交付申請手続き

保育士登録で注意すべきこと
保育士登録の注意点保育士証を紛失した場合には再交付手続きが必要

過去に保育士登録を済ませて保育士証を交付してもらったものの、紛失(もしくは汚損)してしまった場合は、再交付申請手続きをしなければなりません。
この手続きをするには、まず申請書や記入例などがセットされている「登録変更等の手引き(保育士証再交付申請用)」を登録事務処理センターから取り寄せます。
その後、手数料(再交付1人あたり1,100円)を支払い、書類を郵送しましょう。

参考 社会福祉法人 日本保育協会 登録事務処理センター 保育士登録申請手続き(新規登録)

転職するときは余裕を持って保育士登録を済ませよう

保育士登録の申請から保育士証交付まではおおよそ2ヶ月程度かかりますから、働き始める前に早めに準備を進めなければなりません。
もちろん、保育証が発行されるまでも、証明として使える保育士登録済通知書があれば、保育士証が届く前でも就職活動・転職活動を進めることはできます。
ただ、通知書の有効期限は3カ月間なので、保育士証が手元に届いたらすぐにコピーを提出しましょう。
また、保育士証交付後も、名字や本拠地が変わったときや紛失した際は、それぞれ手続きが必要です。
今回紹介した手順に沿って、速やかに手続きを行いましょう。

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